親が亡くなった後、携帯電話の契約はそのままにせず、解約または家族への承継手続きを行います。
ただし、すぐ解約すればよいとは限りません。
故人の電話番号が、銀行、クレジットカード、各種会員サービスなどの連絡先やSMS認証先として登録されている場合があります。
また、端末の中に家族写真や連絡先など必要なデータが残っていることもあります。
携帯電話は「回線契約」「電話番号」「スマートフォン本体」「故人のオンラインアカウント」を分けて考え、解約前に必要なものを確認することが大切です。
親が亡くなった後の携帯電話はどうする?
大きく分けると、次の2つの方法があります。
- 携帯電話回線を解約する
- 家族が契約を承継して電話番号を残す
今後その電話番号を誰も使わないのであれば解約を検討します。
一方、電話番号を残したい事情がある場合は、解約する前に承継できるか携帯会社へ確認してください。
解約と承継はどちらを選ぶ?
| 方法 | 向いているケース |
|---|---|
| 解約 | 電話番号を今後使用しない |
| 承継 | 家族が同じ電話番号を引き継ぎたい |
電話番号を維持する必要があるか分からない場合は、先に故人の契約・連絡先を整理してから判断します。
携帯を解約する前に確認したいこと
最低限、次の項目を確認します。
- 電話番号を家族が引き継ぐ必要がないか
- 端末代金の分割残高がないか
- 未払料金がないか
- SMS認証先として使われているサービスがないか
- 携帯会社のメールアドレスを使っていないか
- スマホ内に必要な写真・連絡先等がないか
- 光回線やホームルーターとのセット契約がないか
- 端末保証などのオプションがないか
- SIMカード・eSIMをどう扱うか
解約前に電話番号の利用先を確認する
故人の携帯電話番号が、別のサービスで使われている場合があります。
たとえば、
- 銀行
- 証券会社
- クレジットカード
- 通販サイト
- SNS
- クラウドサービス
- 各種会員サービス
などの連絡先やSMS認証先です。
回線を解約すると、その電話番号でSMSを受信できなくなります。
そのため、解約前に「どのサービスに登録されている番号なのか」を可能な範囲で確認しておくと、その後の死亡時手続きを進めやすくなります。
故人のSMS認証コードを使って勝手にログインしない
電話番号を解約しないことと、故人のオンラインアカウントを自由に使えることは別です。
電話番号を承継してSMSを受信できる状態になったとしても、それだけで故人の銀行、SNS、Apple ID、Googleアカウントなどを自由に利用できる権利を承継したことにはなりません。
各サービスの死亡時・相続時の正式な手続きを確認してください。
死亡後の携帯電話手続きはキャリアごとに違う
主要キャリアでは死亡時の専用手続きが用意されていますが、窓口や必要書類は同じではありません。
| 携帯会社 | 死亡解約 | 承継 |
|---|---|---|
| NTTドコモ | 原則店舗。ahamoは郵送 | 家族への承継制度あり |
| au / UQ mobile | 店舗 | 店舗で承継可能 |
| SoftBank | SoftBankショップ | 家族への承継制度あり |
| 楽天モバイル | 郵送 | 原則二親等以内、郵送審査後に手続き |
契約しているブランド・料金プランによっても異なるため、実際の手続き時点で公式案内を確認してください。
ドコモで契約者が亡くなった場合
NTTドコモでは、契約者が亡くなった場合に「承継」と「解約」の2つの手続きを用意しています。
電話番号を引き継がない場合は死亡による解約を行います。
2026年9月時点では、ドコモ回線の死亡解約はドコモショップ/d gardenで手続きできます。
ahamoについては郵送での死亡解約手続きが案内されています。
ドコモの死亡解約で用意するもの
ドコモ公式では、主に次のものを案内しています。
- 死亡の事実が確認できる書類
- ドコモUIMカード等
- 手続きする人の本人確認書類
死亡確認書類の例には、
- 死亡診断書
- 住民票の除票
- 除籍が確認できる戸籍謄本等
- 埋葬・火葬許可証
- 死亡届
- 法定相続情報一覧図の写し
などがあります。
書類の種類によって追加書類が必要になる場合があります。
ドコモでは端末の分割残額はなくならない
スマートフォンを分割払いで購入しており、残額がある状態で回線を解約する場合があります。
ドコモでは、回線解約後も端末の分割支払金残額は引き続き支払う仕組みです。
希望すれば残額を一括で支払うこともできます。
回線料金と端末代は分けて確認してください。
ドコモの電話番号を家族が引き継ぐ場合
ドコモには、亡くなった契約者の契約を家族が引き継ぐ「承継」の手続きがあります。
承継では電話番号や継続利用期間などを引き継げる場合があります。
一方、個人契約では、
- dポイントクラブ
- dポイント
- dアカウント
- d払い残高
など、そのまま引き継げないものがあります。
つまり、携帯電話回線を承継しても、ドコモ関連サービスが全部同じ状態で引き継がれるわけではありません。
au・UQ mobileで契約者が亡くなった場合
au・UQ mobileでは、契約者が亡くなった場合に、
- 契約を解約する
- 家族が承継して継続利用する
手続きを用意しています。
2026年9月時点では、死亡による解約は店舗で受け付けています。
auの死亡解約に必要なもの
auでは、原則として契約者の家族が店舗へ来店し、
- 来店者の本人確認書類
- 契約者の死亡が確認できる書類
を用意します。
契約者と来店者の姓・住所が異なる場合は、戸籍謄本や住民票など家族関係を確認できる書類が必要になる場合があります。
auで使える死亡確認書類の例
auでは、死亡解約について、
- 戸籍謄本・戸籍抄本
- 除籍謄本等
- 住民票の除票
- 会葬礼状
- 新聞のお悔やみ欄
- 死亡届
- 死亡診断書
- 火葬・埋葬許可書
- 香典返し
- 法定相続情報一覧図
などを死亡確認書類として案内しています。
書類ごとに満たすべき記載条件があります。
auでは電話番号を承継できる
auには、亡くなった契約者から家族へ契約を引き継ぐ「承継・家族間承継」の制度があります。
承継手数料は無料です。
契約者が使用していたメールアドレスと同じものを取得できる場合もありますが、一部引き継げないサービス、情報、設定があります。
auの未払料金はどうなる?
au公式では、亡くなった契約者の未払料金について、相続している場合には支払いが必要と案内しています。
一方、相続放棄をしている場合には、所定の手続きにより未払料金の支払い免除を受けられる案内があります。
解約とは別に免除手続きが必要です。
相続放棄を検討している段階では、自分の判断だけで未払料金を支払う前に専門家へ確認する方が安全な場合があります。
SoftBankで契約者が亡くなった場合
SoftBankでも、死亡時には「承継」または「解約」を選べます。
携帯電話の死亡解約はSoftBankショップで受け付けています。
SoftBankの死亡解約に必要なもの
法定相続人が手続きする場合、SoftBank公式では主に、
- 来店者の本人確認書類
- 死亡が確認できる書類
- USIMカード
を案内しています。
姓などが異なる場合は、家族関係を証明する書類が必要になる場合があります。
SoftBankでは死亡解約の解除料・手数料はかからない
SoftBankは、死亡に伴う解約について、契約解除料・手数料はかからないと案内しています。
一方、スマートフォン本体の分割払いが残っている場合は、残債の支払いが続きます。
「死亡による解約なので端末代もなくなる」とは考えないようにしてください。
SoftBankは手続きをしないと基本料金の請求が続く
SoftBankは、承継または解約の手続きを行わない場合、亡くなった契約者名義で毎月の基本料金請求が続くと案内しています。
支払いがなく自動解約となっても未納金の請求は残ります。
「そのうち自動的に止まるから」と放置せず、死亡時の正式な手続きを行います。
SoftBankの電話番号を引き継ぐ場合
家族が同じ電話番号を利用したい場合は「承継」を申し込みます。
承継では、
- 契約者の死亡を確認できる書類
- 新しい契約者の本人確認書類
- 新しい支払方法に必要なもの
などを準備します。
楽天モバイルで契約者が亡くなった場合
楽天モバイルでは、契約者死亡による解約は郵送で受け付けています。
2026年9月時点では、必要書類の送付後、手続き完了までの目安は約2週間です。
申請状況によってはさらに時間がかかる場合があります。
楽天モバイルの電話番号を引き継ぐ場合
楽天モバイルにも、死亡した契約者から家族へ通信契約を引き継ぐ制度があります。
2026年9月時点では、原則として二親等以内の人からの申し出を受け付けています。
契約者変更の手数料は3,300円で、書類提出から完了までの目安は約2週間です。
楽天モバイルでは楽天IDまで引き継げるわけではない
通信回線の契約を承継しても、旧契約者の楽天IDそのものを新しい契約者が引き継ぐ仕組みではありません。
新しい契約者は自分自身の楽天IDを使用します。
また、楽メールも旧契約者の楽天IDにひも付いているため、メールデータ・メールアカウントをそのまま承継できません。
電話番号を残せることと、楽天の各種アカウントを承継できることは別です。
楽天モバイルの端末代金にも注意する
楽天モバイルでスマートフォン購入時にクレジットカード分割払いを選択している場合、契約承継後も旧契約者への請求が継続すると公式に案内されています。
製品代金の支払い変更については楽天モバイルではなく、利用しているクレジット会社へ確認する必要があります。
携帯会社ごとに必要書類が違う
「死亡診断書と戸籍があればどこでも同じ」とは限りません。
キャリアによって、
- 死亡診断書
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 住民票の除票
- 火葬・埋葬許可証
- 会葬礼状
- 法定相続情報一覧図
- 手続きする人の本人確認書類
- 家族関係を確認する書類
- SIMカード
などから必要なものが異なります。
来店・郵送前に、契約キャリアの死亡時手続きページで確認してください。
スマホの端末代金が残っているか確認する
回線契約とスマートフォン本体の分割払いは別契約になっている場合があります。
死亡によって回線を解約しても、端末代金が自動的になくなるとは限りません。
ドコモ・SoftBankなどでも、死亡解約後に残っている端末分割代金の支払いを継続する仕組みが案内されています。
解約時に、
- 端末代残額
- 残りの支払回数
- 一括清算できるか
- 相続放棄の場合の対応
を確認してください。
相続放棄を検討している場合は未払料金・端末代に注意
携帯料金や端末代の未払額がある場合は、故人の債務として相続に関係する可能性があります。
相続放棄を考えている場合は、故人の財産と借金を調べる前に安易に支払うのではなく、必要に応じて専門家へ確認してください。
一方、回線を放置して料金を増やす必要もありません。
死亡の連絡・回線停止や解約の手続きと、故人の債務を誰が負担するかという相続上の判断は分けて考えます。
SIMカードはどうする?
死亡解約では、携帯会社によってSIMカードの持参や取扱いについて案内があります。
たとえばドコモではUIMカード等、SoftBankではUSIMカードを手続き時の持ち物として案内しています。
SIMカードを紛失している場合でも手続きできるケースがあるため、見つからなければ携帯会社へその旨を伝えてください。
eSIMの場合は?
eSIMはスマートフォン本体へ電子的に設定されているため、物理SIMのようにカードを抜くことはできません。
回線解約と端末内のeSIM削除は別の操作になる場合があります。
端末を初期化・譲渡・売却する予定がある場合は、携帯会社と端末メーカーの案内に従って処理してください。
スマートフォン本体はすぐ初期化しない
回線解約をするからといって、同時に端末を初期化する必要はありません。
端末の中には、
- 写真・動画
- 連絡先
- メモ
- 各種契約情報
- アプリ
- 故人のデジタルデータ
が残っている場合があります。
家族として必要なデータや、死亡後の手続きを行うために確認すべき情報がないか整理してから、初期化・売却・廃棄を検討します。
スマホのロック解除ができない場合
端末のPIN・パスコードが分からない場合、携帯会社が故人の端末ロックを自由に解除できるとは限りません。
iPhoneやAndroidのデータ・アカウントの扱いには、それぞれAppleやGoogle等の制度・規約が関係します。
無理に解除を試す前に、端末メーカーや各サービスの死亡時手続きを確認してください。
キャリアメールを使っている場合
故人がキャリアメールを各種サービスの連絡先として使用している場合があります。
回線解約によってメールアドレスが利用できなくなる可能性があるため、解約前に利用状況を確認します。
承継した場合でも、メールアドレスやメールデータをそのまま引き継げるかはキャリア・サービスによって異なります。
光回線・ホームルーターとのセット契約を確認する
携帯電話契約と一緒に、
- ドコモ光
- auひかり
- SoftBank 光
- SoftBank Air
- 楽天ひかり
- ホームルーター
などを契約している場合があります。
携帯回線だけ解約すると、セット割や請求方法が変わる可能性があります。
実家でインターネットを今後も利用するのかも含め、通信契約をまとめて確認します。
携帯電話を解約してもサブスクが全部止まるとは限らない
スマートフォンから申し込んだサービスでも、携帯回線を解約すれば必ず契約まで終了するとは限りません。
クレジットカード、Apple、Google、各サービス会社から直接請求されるものもあります。
携帯電話解約とは別に、故人のデジタルアカウント・継続課金を確認する必要があります。
クレジットカード払いの携帯料金にも注意する
携帯料金を故人名義のクレジットカードで支払っている場合があります。
クレジットカード側を先に停止すると、携帯料金の決済ができなくなる可能性があります。
電話番号を承継する場合は、新契約者の支払方法へ変更します。
死亡後のクレジットカードについては、死亡後のクレジットカードはどうする?解約・未払残高・継続課金も確認してください。
携帯をすぐ解約しない方がよいケース
次のような場合は、解約前に一度整理した方がよいでしょう。
- 家族が電話番号を引き継ぎたい
- 電話番号が多数のサービスの連絡先になっている
- SMS認証先として登録されている
- キャリアメールを重要な連絡先として使っている
- スマホ内部のデータを確認していない
- 故人の取引先等から連絡が来る可能性がある
ただし、料金が発生し続けるため、必要性がないのに長期間放置するのも避けます。
解約するまで料金はかかる?
携帯会社によって料金計算の方法は異なりますが、死亡したという事実だけで自動的に契約が終了するわけではありません。
解約手続きが必要です。
SoftBankでは、死亡後に承継・解約手続きをしない場合は、故人名義で基本料金の請求が続くと公式に案内しています。
他社でも実際の解約日や料金計算方法を確認し、不要な回線は放置しないようにします。
電話番号を残したいなら先に承継できるか確認する
一度解約した電話番号を、後から同じ番号で家族名義へ復活させられるとは限りません。
同じ番号を残したい場合は、
解約前に「死亡による承継」の対象になるか携帯会社へ確認する
ことが重要です。
承継してもすべてのサービスを引き継げるわけではない
電話番号を承継できても、
- ポイント
- 決済残高
- キャリアID
- メールデータ
- 保証サービス
- 各種オプション
などは引き継げない場合があります。
回線承継の手続き時に、何が残り、何が終了するのかを確認してください。
携帯電話解約のチェックリスト
- □ 契約している携帯会社を確認した
- □ 電話番号を家族が引き継ぐか決めた
- □ SMS認証先を確認した
- □ キャリアメールの利用先を確認した
- □ 未払料金を確認した
- □ 端末代残額を確認した
- □ SIM・eSIMを確認した
- □ スマホ内の必要なデータを確認した
- □ 光回線等のセット契約を確認した
- □ 携帯会社の死亡時専用手続きを確認した
- □ 必要書類を準備した
- □ 相続放棄を検討していないか確認した
- □ 解約完了後の請求を確認した
スマホ本体を処分する前のチェックリスト
- □ 写真・動画を確認した
- □ 連絡先を確認した
- □ 必要な契約情報を確認した
- □ SIMカードを確認した
- □ eSIMの扱いを確認した
- □ Apple・Google等の死亡時手続きを確認した
- □ 初期化して問題ないことを家族で確認した
- □ 売却・廃棄する場合のデータ消去方法を確認した
よくある質問
親が亡くなったら携帯電話は自動的に解約されますか?
自動的に必要な手続きがすべて完了するわけではありません。契約している携帯会社へ死亡を連絡し、承継または解約の正式な手続きを行います。
亡くなった人の電話番号を家族が引き継げますか?
主要キャリアには死亡による承継制度があります。ただし対象者、必要書類、費用、引き継げるサービスは会社ごとに異なります。
携帯の解約に死亡診断書は必要ですか?
死亡診断書以外にも、戸籍、住民票の除票、火葬・埋葬許可証などを死亡確認書類として利用できるキャリアがあります。必要書類は契約会社へ確認してください。
端末の分割払いは死亡したらなくなりますか?
なくなるとは限りません。ドコモやSoftBankでは、死亡による回線解約後も端末分割残額の支払いを継続する案内があります。契約先へ残額と今後の支払いを確認してください。
相続放棄をした場合も携帯料金を払う必要がありますか?
相続放棄した場合の扱いは契約先へ確認が必要です。auでは、相続放棄済みの場合に未払料金の免除手続きを案内しています。相続放棄を検討中なら、支払い前に専門家へ確認すると安全です。
スマホはすぐ初期化してもいいですか?
必要な写真・連絡先・契約情報などが残っていないか確認してから行う方がよいでしょう。回線解約と端末の初期化は別の作業です。
電話番号をSMS認証に使っている場合はどうしますか?
解約前に利用サービスを確認し、それぞれの死亡時・相続時の正式な手続きを確認してください。電話番号を承継しただけで故人のオンラインアカウントの利用権まで承継するわけではありません。
SIMカードが見つからなくても解約できますか?
キャリアによっては紛失時でも手続きできる場合があります。SIMがないことを窓口で伝えてください。
携帯を放置したらそのうち止まりますか?
支払い停止などで最終的に契約が終了する可能性はありますが、それまで料金・未払金が発生する場合があります。死亡時の正式な解約・承継手続きを行ってください。
死亡後の携帯電話は「すぐ解約」ではなく、番号を残す必要がないか確認してから進める
親が亡くなった後の携帯電話では、不要な料金を止めるために解約を進める必要があります。
一方、一度解約すると電話番号を取り戻せない可能性があります。
そのため、
- 電話番号を家族が引き継ぐか
- SMS認証先になっていないか
- 端末内の必要データを確認したか
- 端末代・未払料金が残っていないか
を確認してから手続きを進めます。
「回線をどうするか」「スマホ本体をどうするか」「故人のオンラインサービスをどうするか」を別々に整理することが、死亡後の携帯電話手続きを漏れなく進めるポイントです。
死亡後の手続き全体については、親が亡くなった後の手続きもあわせて確認してください。