実家の売却には何ヶ月かかる?期間の目安と長引く原因・逆算の進め方

実家の売却は、売り出したその月にすべて終わるとは限りません。査定、不動産会社選び、販売活動、売買契約、決済・引き渡しという複数の工程があり、一般的な仲介では、準備を始めてから引き渡しまで3〜6か月程度を一つの目安として考える必要があります。

ただし、これは「3〜6か月で必ず売れる」という意味ではありません。立地、価格、築年数、建物状態だけでなく、相続登記、共有名義、家財、境界、接道など実家特有の事情によって、半年以上、場合によっては1年以上かかることもあります。

重要なのは平均期間だけを見ることではなく、「いつまでに売却を終えたいか」から逆算し、売却前に止まりやすい手続きを先に確認しておくことです。

実家の整理・売却・解体などを含めて全体の順番を確認したい場合は、実家じまいの進め方もあわせて確認してください。

目次

実家の売却期間は3〜6か月程度が一つの目安

仲介による不動産売却では、査定を始めてから決済・引き渡しまで、おおむね3〜6か月程度を想定してスケジュールを組む方法が一般的です。

実際の期間は、大きく次の3段階に分けて考えると分かりやすくなります。

段階 主な内容 期間の考え方
売却準備 名義確認、査定、不動産会社比較、媒介契約など 数週間程度を見込む
販売活動 広告、内覧、条件交渉、購入申込み 数か月かかることが多い
売買契約後 買主の融資手続き、残金決済、所有権移転、引き渡し 数週間〜1、2か月程度になることが多い

実家の場合、売却活動そのものより前に、相続や家財整理などで時間がかかるケースがあります。そのため「家を売るのに何か月か」という質問と、「親の実家を処分し終えるまで何か月か」は同じではありません。

2025年の中古戸建はレインズ登録から成約まで平均100.9日

公益財団法人東日本不動産流通機構が公表した2025年の首都圏データでは、レインズに登録してから成約に至るまでの平均日数は次のようになっています。

物件種別 登録から成約までの平均日数
中古マンション 82.5日
中古戸建住宅 100.9日
土地 89.8日

実家が戸建住宅であれば、100.9日、つまり約3.3か月という数字は販売期間を考えるうえで一つの参考になります。

ただし、この100.9日は「実家売却の開始から完了までの平均」ではありません。

レインズへの登録前には、査定、不動産会社選び、媒介契約などがあります。また、成約後にも売買契約から残金決済・引き渡しまでの期間があります。

そのため、実家を売る時期を計画するときは、100.9日だけではなく、その前後の期間も含めて余裕を持たせる必要があります。

実家を売却するまでの流れと期間

1.名義・権利関係を確認する

親が所有している実家なのか、すでに相続が発生しているのかによって、最初に行うことが変わります。

相続後の実家で、登記上の所有者が亡くなった親のままになっている場合は、買主へ所有権を移転する前に相続登記を進める必要があります。

兄弟姉妹など複数人で共有している場合は、実家全体を売却するために共有者間で意思をそろえる必要があります。

ここで意見がまとまらないと、不動産会社を決めても売却そのものを進められないことがあります。

2.査定を依頼する

売却できそうな価格を把握するため、不動産会社へ査定を依頼します。

査定額は会社によって異なるため、1社の金額だけを見るより、複数社から査定を取り、査定額の根拠、周辺の成約事例、販売方法まで比較した方が判断しやすくなります。

遠方の実家などですぐ現地対応できない場合は、まず物件情報を使った机上査定で概算を確認し、その後に訪問査定へ進む方法もあります。

3.不動産会社と媒介契約を結ぶ

仲介で売却する場合は、売却活動を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介があります。

専任媒介・専属専任媒介の有効期間は、宅地建物取引業法上3か月以内です。一般媒介には法律上同じ期間制限はありませんが、国土交通省の標準媒介契約約款では3か月以内とされています。

ここで注意したいのは、「媒介契約が3か月」ということと「不動産が3か月以内に売れる」ということは別だという点です。

3か月経過して売れていなければ、その時点で契約更新、不動産会社、価格、販売方法などを見直す一つの区切りになります。

4.販売活動を始める

媒介契約後、不動産会社が広告掲載、他社への物件情報共有、購入希望者への紹介などを行います。

購入希望者が現れれば、内覧、価格や引き渡し条件の調整を行い、購入申込みへ進みます。

売却期間で最も差が出やすいのが、この販売活動の部分です。

駅から近い、価格が周辺相場と合っている、需要がある間取りなどの物件は比較的早く動くことがあります。一方で、郊外、築古、大規模な修繕が必要、再建築上の制約があるなどの物件は、買主が限られて期間が長くなる可能性があります。

5.買主と売買契約を結ぶ

売主と買主が売買価格、引き渡し時期などの条件で合意すると売買契約を締結します。

ただし、売買契約を結んだ日に実家の売却がすべて完了するとは限りません。

買主が住宅ローンを利用する場合には、融資手続きなどを経て残金決済へ進みます。

6.残金決済・所有権移転・引き渡し

決済日に買主から残代金を受け取り、所有権移転登記などを行い、鍵や物件を引き渡します。

売主側に住宅ローンが残っている場合には、抵当権抹消に必要な手続きも調整します。

この段階まで終えて、実家の売却手続きがひとまず完了します。

実家の売却が長引きやすい7つの原因

  • 売出価格が相場より高い:査定額ではなく実際の購入需要と価格が合っていないと、問い合わせや内覧が増えにくくなります。
  • 築年数が古い:修繕費や耐震性などを買主が慎重に確認するため、購入層が限られることがあります。
  • 立地・交通条件が弱い:地方や郊外では需要自体が少なく、都市部より長期間を要するケースがあります。
  • 相続登記が終わっていない:売却活動と並行して進められる場合でも、最終的な所有権移転までに整理が必要です。
  • 共有者の意見がまとまっていない:兄弟姉妹など複数の所有者がいる場合、価格や売却条件で調整に時間がかかります。
  • 家財や残置物が多い:家財がある状態でも査定や販売が可能な場合はありますが、引き渡し条件によっては撤去の手配が必要になります。
  • 接道・境界・再建築などに問題がある:購入後の利用に制約がある物件では、買主側の調査や金融機関の判断にも時間がかかることがあります。

3か月売れない場合は何を見直す?

3か月程度販売しても購入申込みにつながらない場合、単純に「もう少し待つ」だけではなく、販売状況を確認する時期です。

見るべきなのは、問い合わせ数、内覧数、購入検討者からの反応、周辺の競合物件、価格変更後の反響などです。

たとえば、広告の閲覧自体が少なければ物件の露出や不動産会社の販売方法に問題がある可能性があります。

閲覧は多いのに問い合わせがない場合は、価格や物件条件が比較対象より弱い可能性があります。

内覧は多いのに申込みが入らない場合は、建物状態、室内の印象、価格と状態のバランスなどを確認します。

専任媒介や専属専任媒介を結んでいる場合は、3か月が契約期間の一つの区切りになるため、同じ会社と更新するか、販売戦略を変えるかを判断するタイミングにもなります。

早く売りたい場合は仲介だけでなく買取も比較する

相続税や施設費用、遠方の空き家管理などの事情から、「半年待てない」「売却価格より期限を優先したい」というケースもあります。

その場合は、不動産会社が買主を探す仲介だけでなく、不動産会社などが直接購入する買取も比較対象になります。

比較項目 仲介 買取
買主 主に一般の購入希望者 不動産会社など
売却期間 買主を探す期間が必要 条件が整えば仲介より短くなるケースが多い
売却価格 市場価格での成約を目指しやすい 一般的に仲介より低くなる傾向
向いているケース 価格を重視し、販売期間を確保できる 期限や確実性を重視する

「早く売りたいから必ず買取」「高く売りたいから必ず仲介」と決めるのではなく、仲介で売った場合の想定価格・期間と、買取価格・決済時期の両方を出して比較すると判断しやすくなります。

売りたい時期から逆算して準備する

たとえば「来年3月までには実家を引き渡したい」という期限があるなら、3月から逆算して考えます。

売買契約から引き渡しまでの期間に加え、買主を探す販売期間、査定と不動産会社選びの期間が必要です。

さらに、相続登記、共有者との調整、家財整理、境界確認などに時間がかかる可能性があれば、その分だけ早く準備を始めます。

特に地方の実家や築古住宅では、「平均3〜6か月だから半年前に始めれば十分」とは限りません。

期限が決まっているなら、まず査定を取り、現在の市場でどの程度の期間を見込む物件なのかを複数社に確認したうえで、スケジュールを組む方が現実的です。

実家売却の期間でよくある質問

実家は平均何か月で売れますか?

仲介による売却では、準備から引き渡しまで3〜6か月程度が一つの目安です。ただし、東日本REINSの2025年首都圏データでは中古戸建住宅の「登録から成約まで」だけで平均100.9日かかっています。査定などの準備や契約後の決済期間も別途必要です。

3か月で売れなかったら問題がありますか?

3か月を超えたから異常というわけではありません。立地や物件条件によっては半年以上かかることもあります。

ただし、3か月程度は価格、問い合わせ、内覧、広告状況、不動産会社の販売活動を一度検証する区切りとして使いやすい時期です。

媒介契約が3か月なら、3か月以内に売れるということですか?

違います。専任媒介・専属専任媒介の「3か月以内」は媒介契約の有効期間についての規定であり、売却完了までの期限ではありません。

相続した実家はすぐ売却できますか?

相続人や権利関係が整理されていれば査定や販売準備は進められますが、買主への所有権移転に向けて相続登記など必要な手続きを完了させる必要があります。

遺産分割がまとまっていない、共有者間で意見が違うといった場合は、不動産そのものの販売期間より相続手続きに時間がかかることがあります。

家財が残っていると売却を始められませんか?

必ずしも家財をすべて処分してからでなければ査定や販売を始められないわけではありません。

ただし、内覧時の印象や引き渡し条件に影響するため、どこまで片付けてから売るかを不動産会社と先に決めておくと、家財処分が売却スケジュールを止めにくくなります。

期間を短くするより「止まる工程を先につぶす」

実家売却では、「早く不動産会社を決める」ことだけが期間短縮になるわけではありません。

相続登記が必要なのか、共有者がいるのか、家財をどうするのか、境界や接道に問題がないかなど、後から売却を止める要因を早い段階で確認しておく方が重要です。

一般的な仲介では3〜6か月程度を一つの目安にしつつ、実家の所在地・築年数・権利関係によってはさらに時間が必要になる前提で考えます。

売却期限が決まっている場合は、まず現在の査定額と想定販売期間を確認し、仲介と買取の両方を含めて、期限から逆算できる売却方法を検討するとよいでしょう。

参考情報

この記事では、以下の公的・不動産流通関連情報を確認しています。

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