墓じまいにはどれくらいかかる?期間の目安と長引く原因・逆算スケジュール

墓じまいを考え始めたとき、「全部終わるまで何か月かかるのか」は予定を立てるうえで気になるところです。

墓じまいには、全国共通の「○か月で完了する」という期間はありません。

親族との話し合い、新しい遺骨の行き先、現在の墓地や寺院との調整、改葬許可、石材店の日程などによって大きく変わります。

民間の墓じまいサービスなどでは、条件が整っている場合の目安として1〜3か月程度を示す例が多く見られます。ただし、これは国が公表している全国平均ではありません。

実際には1か月程度で進められる場合もあれば、親族の合意や改葬先選びで半年以上かかる場合もあります。

予定を立てるときは「平均何か月か」だけを見るより、どの工程がまだ決まっていないかを確認する方が現実的です。

目次

墓じまい全体に全国共通の期限はない

墓地、埋葬等に関する法律では、現在のお墓などに納められている遺骨を別の墓地・納骨堂へ移す「改葬」を行う場合、市区町村長の許可を受ける必要があります。

一方で、墓じまいを始めてから墓石撤去や納骨までを「○日以内」「○か月以内」に終えなければならないという全国共通の期間は定められていません。

そのため、四十九日や一周忌などを区切りとして墓じまいを行う家庭はありますが、その時期までに墓じまいを終えなければならない全国共通の法的ルールがあるわけではありません。

法要に合わせたい場合は、その日を目標日にして逆算して準備します。

期間を左右するのは墓石撤去より「その前の調整」

墓じまいでは、墓石を撤去する工事だけに注目しがちです。

しかし、実際に時間が読みにくいのは、その前に行う家族・墓地・改葬先との調整です。

工程 期間が変わりやすい理由
家族・親族との話し合い 墓じまい自体や遺骨の行き先について意見が分かれることがある
現在の墓地・寺院への相談 墓所返還の規則、必要な手続き、指定石材店の有無などを確認する必要がある
新しい供養先を決める 永代供養、納骨堂、樹木葬、別の墓などから比較する時間が必要になる
改葬許可 自治体ごとに必要書類や交付までの日数が異なる
遺骨の取り出し・墓石撤去 墓地管理者、宗教者、石材店の日程調整が必要になることがある
新しい供養先への納骨 受入先の納骨可能日や法要の日程によって変わる

特に、まだ家族の合意が取れていない場合や、遺骨をどこへ移すか決まっていない場合は、工事日だけ先に決めても途中で手続きが止まりやすくなります。

計画上は1〜3か月程度を見る例が多い

墓じまいの実務を扱う民間事業者の案内では、全体の期間について1〜3か月程度を目安としている例が複数あります。

ただし、この数字は公的な全国平均ではなく、家族の合意や改葬先がある程度決まっているケースを想定した実務上の目安です。

「墓じまいは必ず3か月以内に終わる」という意味ではありません。

次のような条件がそろっていれば、比較的短期間で進めやすくなります。

  • 家族・親族が墓じまいに合意している
  • 新しい遺骨の行き先が決まっている
  • 現在の墓地管理者との話し合いが済んでいる
  • 必要な改葬書類をすぐ取得できる
  • 墓石撤去を依頼する業者が決まっている
  • 工事や納骨の日程に空きがある

反対に、この中に未確定事項が多いほど、余裕を持ったスケジュールが必要です。

改葬許可そのものは数日で出る自治体もある

墓じまいが長引く原因として「役所の手続きに何か月もかかるのでは」と心配する人もいます。

改葬許可の処理期間は自治体によって異なりますが、役所での審査そのものが墓じまい全体の期間の大部分を占めるとは限りません。

例えば、2026年時点の自治体公式情報では、横浜市は埋葬・火葬・改葬許可の標準処理期間を1日、川崎市も改葬許可の標準処理期間を1日としています。

一方、相模原市は改葬許可証の交付について、申請後「数日〜1週間程度」かかる場合があると案内しています。

これらはあくまで各自治体の例です。

書類の不備、郵送日数、墓地管理者からの証明取得などにかかる時間は別に考える必要があります。

改葬許可の申請先や必要書類については、改葬許可の申請先・必要書類・手続きで整理しています。

墓じまいを1か月程度で終えられるケース

すでに条件が整っていれば、短期間で墓じまいが進むことはあります。

例えば、

  • 家族全員の合意が済んでいる
  • 改葬先を契約済み
  • 現在の墓地管理者へ相談済み
  • 必要書類がすぐにそろう
  • 墓石撤去の日程が確保できる

という状態であれば、各作業を並行して進められます。

ただし、「1か月で終えたい」という希望があるからといって、改葬先を比較せず契約したり、墓地の規則を確認する前に撤去業者だけ決めたりするのは避けた方がよいでしょう。

短期間で進める場合ほど、順番を崩さないことが重要です。

半年以上かかることもある

墓じまいが長引く場合、工事そのものよりも話し合いや意思決定で時間を使うことが多くなります。

家族・親族の意見がまとまらない

墓じまいでは、現在のお墓をなくすことだけでなく、先祖の遺骨を今後どう供養するかを決めます。

本人は永代供養を希望していても、親族が「墓を残したい」と考えていることもあります。

反対する人がいる状態で工事日だけ決めると、後で大きなトラブルになりやすいため、時間がかかっても先に話し合います。

改葬先が決まらない

現在のお墓から別の墓地や納骨堂へ遺骨を移す場合、改葬先を決めてから手続きを進める方がスムーズです。

自治体によっては、新しい墓地の使用許可証や受入れを確認できる書類などを求めます。

永代供養、納骨堂、樹木葬などを比較している段階では、ここに時間がかかることがあります。

お墓を今後どうするかの選択肢は、お墓・供養の整理から確認できます。

寺院・墓地との話し合いに時間がかかる

寺院墓地の場合は、墓じまいの意向を寺院へ伝え、墓所返還や必要な供養、証明書などについて確認します。

指定石材店がある墓地では、自由に撤去業者を選べない場合もあります。

管理規則や契約内容を確認せずに外部業者と契約すると、やり直しになる可能性があります。

石材店の工事日が取れない

墓石撤去は希望日に必ず施工できるとは限りません。

お盆やお彼岸の前後、年末、繁忙期など、墓地や石材店の予定によって日程が取りにくくなる場合があります。

特定の日までに終えたい場合は、許可申請より前の段階から工事可能時期だけ確認しておくと予定を組みやすくなります。

遠方のお墓で郵送や現地調整が必要

現在のお墓が遠方にある場合は、役所への郵送、墓地管理者との書類のやり取り、現地業者との見積もりなどで日数が増えます。

改葬許可を郵送で申請できる自治体もありますが、全国共通ではありません。

現地へ行く回数を減らしたい場合は、墓地管理者・自治体・石材店のそれぞれに、郵送や代理対応が可能か確認します。

希望日から逆算するなら3か月程度前から動くと余裕を持ちやすい

法要や家族が集まる日に合わせて墓じまいを終えたい場合は、目標日から逆算します。

次は、余裕を持って進めるための一例です。法律で決められた期限ではありません。

時期の例 進めること
目標日の3か月前ごろ 家族・親族へ相談し、遺骨の行き先を比較する
2〜3か月前 現在の墓地管理者へ相談し、墓所返還条件・指定石材店等を確認する
2か月前ごろ 改葬先を決め、墓石撤去の見積もりと日程候補を確認する
1〜2か月前 墓地管理者の証明等を集め、自治体へ改葬許可を申請する
目標日前 遺骨の取り出し、必要な供養、墓石撤去・墓所返還を行う
目標日まで 新しい墓地・納骨堂等へ納骨する

すでに改葬先が決まっている場合はもっと短くできることがあります。

逆に、親族との話し合いから始める場合や、複数の供養先を比較したい場合は、半年程度以上の余裕を持って始めても早すぎることはありません。

墓石撤去だけを先に予約しない

期限があると急いで墓石撤去を予約したくなりますが、墓じまいでは撤去工事だけを先行させない方が安全です。

現在のお墓に遺骨がある場合は、先に、

  • 遺骨をどこへ移すのか
  • 改葬許可に何が必要か
  • 墓地管理者からどの証明を受けるか
  • 墓所返還にどんな条件があるか
  • 指定石材店があるか

を確認します。

墓石を撤去した後に「必要な書類が足りない」「遺骨の受入先が決まっていない」となると、かえって時間と費用が増える可能性があります。

墓じまい全体の順番は、墓じまいの費用・手続き・流れで確認できます。

四十九日や一周忌までに終えないといけない?

墓じまいを四十九日や一周忌までに完了しなければならないという全国共通の法的期限はありません。

ただし、親族が集まりやすい法要の日に合わせて遺骨を移したい、寺院と法要を一緒に行いたいなど、家庭や宗教上の都合で時期を決めることはあります。

その場合は、法要日を「法律上の期限」ではなく「家族の目標日」として考え、余裕を持って逆算します。

よくある質問

墓じまいには平均で何か月かかりますか?

全国の墓じまいについて、国が公表している「平均○か月」という統計は確認できません。

民間事業者では1〜3か月程度を実務上の目安として示す例がありますが、親族の話し合いや改葬先の決定状況によって大きく変わります。

1か月で墓じまいできますか?

家族の合意、改葬先、墓地との調整、必要書類、石材店の日程がすでに整っていれば、短期間で進むケースはあります。

ただし、1か月で完了することを前提に、確認手順を省略するのは避けてください。

改葬許可には何日かかりますか?

自治体によって異なります。

2026年時点では、横浜市・川崎市のように標準処理期間を1日としている自治体がある一方、相模原市のように数日〜1週間程度かかる場合があると案内する自治体もあります。

書類不備の補正や郵送期間は別途必要になることがあります。

墓じまいに期限はありますか?

墓じまい全体を一定期間内に完了させなければならない全国共通の期限はありません。

ただし、墓地の契約や返還期限、改葬先の契約条件など、個別の期限が設定されている場合はあります。

半年以上前から始めても早すぎませんか?

親族との話し合い、改葬先の比較、遠方の墓地とのやり取りが必要なら、半年以上前から動いても問題ありません。

急いで契約するより、必要な選択肢を比較できる時間を確保する方が進めやすくなります。

役所の手続きが済めば墓じまいできますか?

改葬許可は遺骨を別の墓地・納骨堂へ移すための行政手続きです。

墓所の返還、墓石撤去、寺院・墓地との手続き、新しい供養先への納骨は別に必要です。

期間を短くしたいなら未確定事項を減らす

墓じまいの期間は、単純に「役所に何日かかるか」だけでは決まりません。

時間がかかりやすいのは、家族の合意、遺骨の行き先、現在の墓地との調整、工事日程などです。

希望する完了日があるなら、その日から逆算して、まず次の3点を確認します。

  • 家族・親族の合意が取れているか
  • 遺骨をどこへ移すか決まっているか
  • 現在の墓地の返還・工事ルールを確認したか

この3点が決まると、必要書類や工事日程も具体化しやすくなります。

まだ何から始めればよいか整理できていない場合は、墓じまい全体の進め方から確認し、改葬許可の段階では改葬許可の申請方法を確認してください。

参考にした公的情報

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