一軒家の実家を片付けようとすると、部屋の中だけでも大量の物があり、どこまで確認すればよいのか分からなくなることがあります。
さらに一軒家では、押し入れや納戸だけでなく、物置、庭、車庫、屋根裏、ベランダなどにも長年の家財が残っていることがあります。
そのため、「4LDKだからこのくらい」と部屋数だけで作業量を判断するのは難しいです。
一軒家の実家片付けでは、まず家全体のどこに物があるかを確認し、その家を今後どうするのかを決めてから、実際に片付ける範囲を決めると進めやすくなります。
一軒家の実家は「部屋数」だけで片付け量を判断しない
マンションやアパートと比べ、一軒家では居室以外に収納場所が多い傾向があります。
例えば、
- 押し入れ
- クローゼット
- 納戸
- 屋根裏
- 床下収納
- 物置
- 車庫
- 庭
- ベランダ
などです。
室内は比較的片付いていても、物置を開けたら工具や園芸用品、古い家具、タイヤなどが大量に残っている場合があります。
一軒家を丸ごと片付ける場合は、間取りではなく「家の内外にどれだけ物があるか」を確認します。
最初に家全体の片付け範囲を確認する
片付けを始める前に、一度家全体を歩いて確認します。
この段階では物を捨て始める必要はありません。
メモやスマートフォンで、物が残っている場所を記録します。
- 1階の各部屋
- 2階の各部屋
- 押し入れ・納戸
- キッチン
- 洗面所
- 物置
- 庭
- 車庫
- 屋根裏
- ベランダ
写真を撮っておけば、後で家族や業者と相談するときにも使えます。
一軒家では「後から物置が見つかった」「庭の物を見積もりに入れていなかった」となると、作業日数や料金が変わることがあります。
家を全部空にするかは、片付け後の目的で決める
一軒家だからといって、必ず家中の物をすべて撤去する必要があるとは限りません。
片付け後に家をどうするかで必要な範囲が変わります。
| 今後の予定 | 片付け範囲の考え方 |
|---|---|
| 親が住み続ける | 生活に必要な部屋・通路を優先し、使わない場所まで一度に空にする必要はない |
| 空き家としてしばらく保有 | 重要品を確保し、管理しにくい物や劣化・害虫等につながる物を優先する |
| 売却する | 売却方法と残置物条件を不動産会社へ確認してから撤去範囲を決める |
| 解体する | 解体工事前に撤去が必要な家庭の家財と、解体業者が扱う範囲を分けて確認する |
目的を決めずに「とにかく全部処分する」と進めると、本来必要なかった作業に費用と時間を使うことがあります。
一軒家の片付けは何日かかる?
一軒家の片付け日数に全国共通の目安はありません。
現在公開されている業者の事例では、2日程度で終えた一軒家もあれば、3日前後を目安としている会社、遠方から依頼された家で4〜5日かかった事例もあります。
違いを生むのは部屋数だけではありません。
- 家財の量
- 仕分けが済んでいるか
- 重要品を探しながら進めるか
- 物置や庭まで対象にするか
- 作業員の人数
- 車両台数
- 階段などの搬出条件
- いつまでに終えたいか
によって変わります。
例えば、すでに家族が残す物を取り出し、処分する物だけが残っている家なら作業は早く進みます。
反対に、親が亡くなった後で、通帳、印鑑、写真、契約書などを探しながら一品ずつ確認する場合は時間がかかります。
したがって、「4LDKなら3日」のように間取りだけで予定を決めず、現地の物量から判断します。
一軒家を片付ける順番
1.重要書類・貴重品を先に確保する
家財を処分する前に、なくすと困る物を探します。
- 通帳
- 印鑑
- 現金
- 不動産関係の書類
- 保険証券
- 契約書
- 貴金属
- 鍵
- 写真や形見
親が存命なら、本人が残したい物も先に確認します。
2.残す・譲る・売る・処分・保留に分ける
物を一つずつ「捨てる/捨てない」だけで判断すると作業が止まりやすくなります。
次のように分類します。
- 残す
- 家族へ譲る
- 売却・買取を検討する
- 処分する
- 保留する
迷う物をその日に決める必要はありません。
3.室内の小さい物から整理する
最初から大型家具へ手をつけるより、小さく判断しやすい物から進めます。
食器、衣類、日用品などを整理すると、室内で作業する場所も確保しやすくなります。
4.大型家具・家電を確認する
大型家具や家電は、自治体の粗大ごみ、自分で持ち込む方法、買取、業者への依頼などを検討します。
テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などは家電リサイクル法の対象です。
5.物置・庭・車庫へ進む
室内の方針が決まったら、外回りを確認します。
物置や庭は家の中より判断しやすい物もありますが、工具や農機具など価値のある物が残っていることもあります。
いきなりすべてごみとして扱わず、一度確認します。
物置・庭・車庫で見落としやすい物
一軒家の片付けでは、外回りが想定以上の作業量になることがあります。
例えば、
- 植木鉢
- 園芸用品
- 肥料や薬剤
- 工具
- 木材
- タイヤ
- 自転車
- 古い物干し台
- ブロック
- 物置の中の家財
などです。
処分方法がそれぞれ違うこともあります。
市区町村の家庭ごみ・粗大ごみとして出せる物もあれば、販売店や専門的な処理先を確認する物もあります。
業者へ依頼する場合は、室内だけでなく外回りも見積もり対象に入れてもらいます。
遠方の実家を片付ける場合
実家が遠方にあると、何度も帰省して家族だけで片付けることが難しくなります。
この場合、最初の帰省で全部を終わらせるのではなく、最初に判断が必要なことへ集中します。
例えば、
- 重要書類・貴重品を確認する
- 絶対に残す物を決める
- 処分してよい範囲を決める
- 家全体を写真で記録する
- 業者へ任せる範囲を決める
という順番です。
立ち会いなしで業者へ任せる場合は、
- 鍵の受け渡し
- 残す物の写真
- 作業前後の写真
- 判断が必要な物が出た場合の連絡方法
- 追加料金が必要な場合の承認方法
まで事前に決めます。
売却前は、全部処分してから査定する必要はない
実家を売る予定なら、片付けと売却を別々に考えすぎない方がよい場合があります。
一般の買主へ仲介で売却する場合は、室内が整理されている方が内覧時に広さや状態を確認してもらいやすくなります。
一方、不動産会社による買取では、家具や家財などの残置物が残った状態でも対応する会社があります。
そのため、何十万円もかけて一軒家を完全に空にしてから初めて査定を依頼する必要があるとは限りません。
売却予定なら、
- 重要書類・貴重品を確保する
- 明らかなごみだけ整理する
- 不動産会社へ査定を相談する
- 残置物をどこまで撤去する条件か確認する
- 必要な範囲だけ片付ける
という進め方もあります。
実家全体の処分方針については、実家・家財整理のガイドも確認してください。
解体前の家財は、解体ごみと一緒に処分できるとは限らない
「どうせ家を壊すなら、家具や家電も家の中へ残しておけば解体時に一緒に処分してもらえる」と考えることがあります。
しかし、家庭で使用していた家具・家電などの残置物と、解体工事によって発生する建設廃棄物は同じ扱いではありません。
横浜市は解体工事に関する留意事項で、解体前に残っている不用家具・家電等は所有者が適正に処理する必要があり、家庭の残置物は一般廃棄物になると案内しています。
また、解体工事業の許可だけでは家庭の一般廃棄物を処理できないことも明記しています。
そのため解体予定なら、契約前に、
- 家具・家電をいつまでに撤去する必要があるか
- 家庭の残置物を誰が処理するのか
- 解体業者が対応できる範囲
を確認してください。
物置本体・庭木・ブロックなどは依頼範囲を確認する
物置の「中身」を片付けることと、物置そのものを解体・撤去することは別作業になる場合があります。
同様に、
- 庭木
- ブロック
- フェンス
- カーポート
- 大型物置
なども、通常の家財片付けとは別の工事になることがあります。
一軒家を売却・解体する予定なら、片付け会社と解体会社の両方に同じ作業を依頼して費用が重複しないよう、どちらが担当するかを確認します。
一軒家を自分で片付けるか、業者へ頼むか
自分たちで進めやすいケース
- 実家が近い
- 期限がない
- 家財量が少ない
- 家族で定期的に作業できる
- 大型家具が少ない
業者を利用しやすいケース
- 家財が家全体に大量にある
- 物置・庭・車庫まで物が多い
- 遠方で何度も帰省できない
- 大型家具・家電が多い
- 売却・解体など期限がある
- 高齢の家族だけでは搬出が難しい
全部を業者へ任せる必要はありません。
家族で重要品や思い出の品を確認し、大量の家財搬出だけ業者へ任せる方法もあります。
業者の選び方については実家の片付け業者の選び方を参照してください。
業者へ見積もる前に確認したいこと
- 片付ける部屋
- 押し入れ・納戸
- 物置
- 庭
- 車庫
- ベランダ
- 残す物
- 買取を希望する物
- 作業期限
- 立ち会いの可否
- 売却・解体の予定
一軒家の場合は、現地を確認してもらったうえで見積もる方が、室内だけの写真で判断するより対象範囲をそろえやすくなります。
また、家庭から出る廃棄物を業者が収集・運搬する場合は、一般廃棄物の適切な処理体制を確認してください。
環境省|廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください
よくある質問
一軒家の実家は何から片付ければよいですか?
家財を捨て始める前に、家全体のどこに物があるか確認し、重要書類・貴重品・残す物を先に確保します。その後、残す・譲る・売る・処分・保留へ仕分けます。
一軒家の片付けは何日くらいかかりますか?
全国共通の日数はありません。現在公開されている業者事例では2〜5日程度のケースがありますが、家財量、作業人数、重要品を探すか、物置や庭まで対象かによって大きく変わります。
物置や庭も実家片付けに含まれますか?
依頼内容によります。室内だけの見積もりでは物置や庭が対象外になる場合があるため、最初から片付けたい場所をすべて伝えてください。
遠方の一軒家でも立ち会いなしで片付けられますか?
対応する業者があります。残す物を写真やリストで明確にし、鍵の受け渡し、作業前後の写真、判断が必要な物が出た場合の連絡方法、追加料金の承認方法を決めておきます。
売却前に一軒家を完全に空にする必要がありますか?
売却方法によって異なります。仲介では整理された状態の方が内覧しやすい一方、不動産会社の買取では残置物がある状態でも対応できる場合があります。高額な片付けを契約する前に、不動産会社へ残置物の条件を確認してください。
解体するなら家財を家の中へ残してもよいですか?
解体工事で発生する廃棄物と、家庭で使用していた家具・家電等の残置物は同じ扱いではありません。家庭の残置物は一般廃棄物として適切に処理する必要があります。解体契約前に、何を所有者側で撤去する必要があるか確認してください。
物置本体や庭木も片付け業者へ頼めますか?
対応できる会社もありますが、物置の解体、庭木、ブロック、フェンス等は家財整理とは別作業になる場合があります。売却や解体予定があるなら、片付け業者と解体業者のどちらへ頼むかを先に確認してください。
一軒家の片付け費用はいくらですか?
家財量によって大きく異なります。現在の複数の公開料金を見ると、4LDK以上の一軒家で20万円台から70万円以上まで幅があります。費用については実家の片付け費用で詳しく整理しています。
一軒家の実家片付けは「全部捨てる」前に、その家の次を決める
一軒家の実家では、室内だけでなく物置、庭、車庫まで確認すると想像以上に物が残っていることがあります。
だからこそ、最初から家を空にすることだけを目標にする必要はありません。
親が住み続けるのか。
空き家として保有するのか。
売却するのか。
解体するのか。
家の次の使い方を決めると、必要な片付け範囲も見えてきます。
家全体を確認し、重要品を確保し、自分たちでできる作業と業者へ任せる作業を分ける。
売却や解体を予定しているなら、その条件も先に確認してから大きな片付け費用をかける方が、無駄な作業を減らしやすくなります。
実家片付け全体の進め方は実家の片付けガイド、業者選びは実家の片付け業者の選び方、費用は実家の片付け費用を参照してください。