生前整理を業者へ頼もうと考えたとき、気になるのが「いくらかかるのか」です。
検索すると、1Kなら数万円、一戸建てなら数十万円といった料金が出てきますが、同じ間取りでも金額にはかなりの差があります。
生前整理の料金は、部屋の広さだけでは決まりません。
家財の量、本人や家族がどこまで仕分けを済ませているか、大型家具の数、階段や駐車場所などの搬出条件によって必要な人数・時間・車両が変わるためです。
また、生前整理では家全体を一度に空にする必要がない場合があります。
本人が残す物を選び、一部屋だけ業者へ頼むなど、依頼範囲を調整できる点も遺品整理とは少し事情が異なります。
生前整理の費用に全国共通の定価はない
生前整理サービスには、全国共通の公定料金があるわけではありません。
各社が「1K○万円〜」などの料金を公開していますが、その金額に含まれる作業内容や想定する家財量は会社によって異なります。
そのため、Webサイトの最低料金だけを見て、
「1LDKなら必ず10万円以内」
などと判断することはできません。
ここでは2026年9月時点で複数の生前整理サービス・事業者が公開している料金を横断し、比較的よく見られる価格帯を目安として示します。
公的な全国平均ではなく、実際の見積もりを取る前に金額感をつかむための目安として確認してください。
間取り別の生前整理費用の目安
| 間取り | 現在の公開料金から見た目安帯 |
|---|---|
| 1R・1K | 約1.5〜8万円 |
| 1DK | 約4〜12万円 |
| 1LDK | 約6〜20万円 |
| 2DK | 約8〜25万円 |
| 2LDK | 約11〜30万円 |
| 3DK | 約13〜40万円 |
| 3LDK | 約14〜50万円 |
| 4LDK以上・一戸建て | 約16〜60万円以上 |
同じ1LDKでも、ほとんど整理済みの部屋と、長年の家財が収納いっぱいに残っている家では作業量が違います。
そのため、間取りは費用を考える一つの目安にすぎません。
実際の料金への影響が大きいのは、処理・搬出する物の量です。
全国掲載サービスの公開料金ではどのくらい?
2026年9月11日時点で全国の生前整理業者を掲載しているサービスでは、次のような料金目安が公開されています。
| 間取り | 公開されている料金目安 |
|---|---|
| 1K | 33,473円〜 |
| 1DK | 54,299円〜 |
| 1LDK | 74,668円〜 |
| 2DK | 99,098円〜 |
| 2LDK | 122,653円〜 |
| 3DK | 148,460円〜 |
| 3LDK | 171,676円〜 |
| 4LDK | 214,775円〜 |
ただし、これはあくまで掲載サービス上の料金目安です。
個別事業者では、1R・1Kで1万円台からの料金を掲げるところもあれば、物量によって8万円以上を想定する料金表もあります。
「3万円〜」の「〜」の部分がどこまで増える可能性があるのかを、実際の見積もりで確認する必要があります。
生前整理の料金は何で決まる?
家財の量
料金への影響が特に大きいのが、整理・搬出する家財の量です。
同じ3LDKでも、収納がほとんど空になっている家と、押し入れ・納戸・物置まで物が詰まっている家では必要な作業量が大きく違います。
生前整理では、本人や家族が先に使う物を選び、不要品を減らしてから業者へ依頼できる場合があります。
業者へ任せる物量を減らせれば、その分だけ作業時間や車両台数が減る可能性があります。
仕分けを誰が行うか
家族があらかじめ、
- 残す物
- 家族へ渡す物
- 売却・買取を検討する物
- 処分する物
- 保留する物
まで分けている場合と、業者と一緒に一つずつ確認する場合では必要な作業時間が違います。
ただし、費用を減らすために本人の確認を省略して大量処分するのは、生前整理の目的と合いません。
時間をかけても本人が判断した方がよい物と、業者へ任せられる単純作業を分けます。
作業人数と時間
家財が多く、短期間で整理しなければならない場合は、作業スタッフが増えることがあります。
施設入居や引っ越しの日が迫っており、一日で一定範囲を終わらせる必要がある場合も、必要な人数が増える可能性があります。
階段・エレベーター・搬出距離
大型家具を運び出す場合は、建物の条件も料金に影響します。
- エレベーターがあるか
- 階段を何階分使うか
- 家具を解体する必要があるか
- 建物前に車両を停められるか
- 駐車場所まで距離があるか
などによって作業時間が変わります。
物置・庭・倉庫まで整理するか
一戸建てでは、室内だけを見て家財量を判断できないことがあります。
物置、納戸、倉庫、庭、車庫などまで対象にすると、必要な作業量が増えます。
見積もり時には、家の中だけではなく整理したい場所をすべて伝えます。
清掃などを追加するか
家財の仕分け・搬出に加えて、清掃などを頼める事業者もあります。
どこまで基本料金に含まれるかは会社によって異なります。
「簡易清掃込み」と書かれていても、本格的なハウスクリーニングと同じ内容とは限りません。
必要な範囲を見積もり時に確認します。
生前整理の料金には何が含まれる?
事業者によって違いますが、生前整理の料金には次のような作業が組み合わされることがあります。
- 本人・家族へのヒアリング
- 残す物と手放す物の仕分け
- 貴重品や重要書類の確認
- 梱包
- 家具等の搬出
- 車両
- 不要品の適正処理に関する費用
- 簡易清掃
ただし、すべての会社で同じ内容が含まれるわけではありません。
例えば、エアコンの取り外し、家具の解体、庭や物置の整理、本格的な清掃などは別料金になる場合があります。
総額だけでなく、その金額で家のどこまで、何をしてもらえるのかを確認します。
生前整理は遺品整理より安い?
「生前整理は本人が元気なうちに行うから、遺品整理より安い」と説明されることがあります。
実際には、必ず安くなるとは限りません。
生前整理と遺品整理で同じ料金表を使用している事業者もあります。
一方、生前整理には費用を調整しやすい面があります。
本人が事前に、
- 残す物を決める
- 小さな不要品を自治体のルールで処分する
- 一部屋ずつ整理する
- 家具をすべて処分せず必要な物を残す
ことができれば、業者へ依頼する作業量を減らせるからです。
つまり、生前整理だから自動的に安いのではなく、本人が時間を使って依頼範囲を小さくできる余地があると考える方が正確です。
自分で生前整理する場合はいくらかかる?
家族だけで生前整理を行う場合、業者への作業料金はかかりません。
ただし完全に無料とは限りません。
状況によって、
- 自治体の粗大ごみ等の処分費用
- ごみ袋・段ボール等
- 自分で運搬するための車両
- 家電等の適切な処分に必要な費用
- 遠方の実家へ通う交通費
などが発生します。
これらは自治体や物の種類による差が大きいため、「自分で行えば全国一律○万円」とは計算できません。
自力で進める場合は、まず実家所在地の自治体で処分方法を確認してください。
全部を業者へ頼まず、一部だけ依頼する方法もある
生前整理では、家全体を業者へ任せる必要はありません。
例えば、
- 本人と家族で小物を仕分ける
- 重要書類や思い出の品は自分たちで確認する
- 大型家具の搬出だけ業者へ依頼する
という方法があります。
また、今日は一部屋、数か月後に物置、というように作業を分けることもできます。
時間に余裕がある段階で行う生前整理だからこそ、期限までに一軒家をすべて空にする必要がない家庭もあります。
生前整理の費用を抑える方法
本人が残す物を先に決める
本人にしか判断できない物は、業者が来る前に確認しておきます。
写真、手紙、趣味の物などを先に分ければ、当日の仕分け時間を減らせる場合があります。
小さな不要品を無理のない範囲で処分する
時間と体力に余裕があれば、自治体の家庭ごみや粗大ごみ制度を使い、少しずつ家財量を減らす方法があります。
ただし、重い家具を高齢の本人が無理に運ぶ必要はありません。
安全にできる部分だけを行います。
一部屋単位で依頼する
今後も住み続ける家なら、すべてを一度に空にする必要はありません。
使っていない部屋や物置だけを先に整理するなど、依頼範囲を限定できる場合があります。
買取できる物は処分前に確認する
家具、家電、時計、貴金属、ブランド品、骨董品などは状態によって買取対象になる場合があります。
ただし、
「作業料金から10万円引き」
という最終額だけを見るのではなく、
- 生前整理の作業料金
- 買取査定額
を分けて確認します。
そうすれば他社との比較がしやすくなります。
複数社を同じ条件で比較する
一社だけの見積もりでは、その家にとって適切な金額か判断しにくい場合があります。
複数社を比較する場合は、
- 対象になる部屋
- 家財量
- 本人・家族が行う仕分け範囲
- 清掃の有無
- 買取の有無
などをそろえて見積もりを依頼します。
条件が違えば、総額だけを比べても意味がありません。
見積書で確認したい項目
見積もりを受け取ったら、金額だけでなく次の内容を確認します。
- どの部屋・場所まで対象か
- 仕分け作業が含まれるか
- 作業人数
- 作業時間
- 車両費
- 大型家具等の搬出
- 不要品の処理に関する費用
- 清掃範囲
- 追加料金になる条件
- キャンセル料
- 買取がある場合は査定額
「一式」という表記だけで内容が分からない場合は、何を含む金額なのか説明してもらいます。
国民生活センターも、整理サービスを利用する際には複数事業者から見積もりを取り、作業内容、料金、支払方法、解約料、追加料金の条件などを事前に確認するよう案内しています。
不要品を誰が収集・運搬するかも確認する
生前整理では、料金と同時に不要品の処理方法も確認します。
家庭から出た家財を廃棄物として収集・運搬する場合は、一般廃棄物の処理ルールが関係します。
「生前整理業者だから何でも持って帰って処分できる」というわけではありません。
見積もり時には、
「処分する家財を実際に誰が収集・運搬しますか?」
と確認します。
遺品整理・生前整理会社が仕分け等を担当し、家庭系一般廃棄物の収集運搬部分を適切な許可業者等が行う形もあります。
遺言・任意後見などの専門家費用は家財整理とは別に考える
「生前整理」という言葉は、家財整理だけでなく、財産や相続に関する準備まで広く使われることがあります。
しかし、家財を整理する事業者へ支払う料金と、
- 遺言書についての法的相談
- 任意後見
- 不動産の登記
- 相続・贈与に関する税務相談
などの専門家費用は別に考えます。
「生前整理○万円」という家財整理の料金に、こうした法律・税務手続きまで当然に含まれるわけではありません。
必要な場合には、対応する専門家へ依頼する内容と費用を別に確認します。
よくある質問
生前整理はいくらくらいかかりますか?
2026年9月時点の公開料金を見ると、1R・1Kでは1.5〜8万円程度、1LDKでは6〜20万円程度、2LDKでは11〜30万円程度、3LDKでは14〜50万円程度など幅があります。一戸建てでは物量によって60万円を超えることもあります。公的な全国平均ではないため、実際には現場条件を反映した見積もりで確認します。
一軒家の生前整理はいくらですか?
4LDK以上では16〜60万円以上の公開料金が見られますが、一戸建ては物置、納戸、庭、倉庫まで物が残っていることがあり、間取りだけでは料金を判断できません。対象場所と家財量を確認した見積もりが必要です。
生前整理は遺品整理より安いですか?
必ず安いとは限りません。同じ料金体系を使う事業者もあります。ただ、生前整理では本人が事前に仕分けたり、作業を数回に分けたりできるため、業者へ依頼する物量を減らせれば結果として費用を抑えられることがあります。
生前整理を自分ですれば無料ですか?
業者への作業料金はかかりませんが、粗大ごみ等の処分、運搬、梱包資材、遠方の実家へ通う交通費などが必要になる場合があります。処分料金は自治体によって異なるため、実家所在地のルールを確認してください。
一部屋だけでも業者へ頼めますか?
一部屋や大型家具だけなど、部分的な依頼に対応する事業者もあります。生前整理では今後も住み続ける家を整理するケースがあるため、家全体を一度に空にする必要がない場合もあります。
買取を使えば費用は安くなりますか?
買取可能な物があれば、最終的な負担額が下がる場合があります。ただし、作業料金と買取査定額を分けて確認し、単に「値引き額が大きい」という理由だけで業者を選ばない方が比較しやすくなります。
見積もりは何社くらい取ればよいですか?
公的機関は複数事業者を比較するよう案内しています。実務上は2〜3社程度でも、作業範囲、総額、追加料金、対応方法の違いを把握しやすくなります。同じ条件で見積もりを取ることが重要です。
生前整理では「家全部でいくら」より、どこまで頼むかを先に決める
生前整理の費用は、家の広さだけでは決まりません。
本人が自分で判断できる時期だからこそ、残す物を先に選び、必要な部分だけを業者へ任せることができます。
家全体を一度に空にする必要がなければ、一部屋ずつ進める方法もあります。
費用を考えるときは、
「この家なら相場はいくらか」
だけではなく、
「自分たちは何を行い、業者には何を任せるのか」
を決めることが重要です。
その条件をそろえたうえで複数の見積もりを比較すれば、単純な最低料金より実際の負担額を判断しやすくなります。
生前整理全体については生前整理の総合ガイド、始める時期については生前整理はいつから始める?、実家全体については実家・家財整理のガイドから確認してください。