墓じまいの見積もりはどう取る?写真・現地調査と比較11項目

墓じまいを業者へ依頼する段階になると、最初に必要になるのが見積もりです。

ただし、インターネット上の料金表や写真だけで出た金額と、実際に現地を確認した後の見積もりは同じではありません。

墓石の大きさだけでなく、外柵、基礎、墓地までの階段、重機が入れるか、撤去した石材をどこまで運ぶ必要があるかなどによって工事費が変わるためです。

墓じまいでは、写真・寸法による概算で予算感を確認し、契約前には現地条件を反映した正式見積もりで判断すると考えると分かりやすくなります。

目次

墓じまいの見積もりを取る前に指定石材店を確認する

業者を探し始める前に、現在のお墓の管理者へ確認したいことがあります。

墓石の撤去工事を行う石材店が指定されているかです。

寺院墓地や民営霊園では、指定石材店以外が工事できない場合があります。

指定石材店が1社だけなら、インターネットで複数の業者から相見積もりを取っても、実際にはその業者へ依頼できないことがあります。

墓地管理者へ、

  • 指定石材店があるか
  • 指定業者は1社か複数社か
  • 外部業者でも工事できるか
  • 墓所をどの状態まで戻す必要があるか
  • 工事前の申請が必要か

を確認します。

墓じまいの見積もりは「概算」と「正式」を分けて考える

墓じまいには、大きく2段階の見積もりがあります。

種類 確認方法 使い方
概算見積もり 写真・寸法・所在地等 予算感・候補業者の絞り込み
正式見積もり 現地確認後 契約・業者比較

写真・寸法だけでも概算見積もりは取れる

墓じまい業者の中には、墓石の写真と墓所の寸法を送ることで概算見積もりを出すサービスがあります。

遠方のお墓で、すぐ現地へ行けない場合にも使いやすい方法です。

また、墓所の地域・種類・面積などを入力すると、おおよその費用を確認できるシミュレーションを提供している事業者もあります。

ただし、写真や入力情報だけでは、

  • 基礎の深さ
  • 墓石の正確な重量
  • 重機が入れるか
  • 車両をどこまで近づけられるか
  • 階段・傾斜
  • 隣接区画との関係

まで分からないことがあります。

そのため、概算料金だけでそのまま契約するのではなく、正式見積もりとの差が出る条件を確認します。

正式見積もりでは現地を確認してもらう

墓じまいを実際に契約する段階では、現地を確認した見積もりの方が費用を判断しやすくなります。

現地では主に、

  • 墓所の広さ
  • 墓石の大きさ・構造
  • 外柵
  • カロート・納骨室
  • 基礎
  • 通路幅
  • 階段
  • 傾斜
  • 車両進入
  • 重機使用の可否
  • 搬出距離

などを確認します。

同じ2㎡程度の墓所でも、平坦な霊園と山の斜面にある墓地では作業条件が大きく違います。

墓じまい見積もり前に準備する情報

見積もり依頼前に、分かる範囲で次の情報を整理しておくと進めやすくなります。

  • 墓地・霊園・寺院名
  • 所在地
  • 区画番号
  • 墓所の広さ
  • 墓石の写真
  • 墓地までの通路
  • 階段・傾斜の有無
  • 車を近くまで入れられるか
  • 納められている遺骨の数
  • 指定石材店の有無
  • 希望する工事時期
  • 墓じまい後の遺骨の行き先

公営墓地などでは、墓地使用許可証や区画番号が分かる資料があると、墓所を特定しやすくなります。

墓所面積はどこを測る?

墓石そのものの幅ではなく、墓所区画全体の広さを基準に料金を設定している業者が多くあります。

基本的には、

間口 × 奥行

で墓所のおおよその面積を確認します。

ただし、外柵の外側まで含むのか、霊園資料上の正式な区画面積を使うのかは業者や墓地によって違います。

自分で測った数字は概算用とし、正式見積もりでは墓地資料または現地実測で確認してもらいます。

写真見積もりでは何を撮影する?

写真で概算見積もりを依頼するなら、墓石だけを正面から1枚撮るより、工事条件が分かる写真を用意します。

墓所全体

墓石、外柵、墓所区画全体が入る写真です。

正面・左右

墓石の構造や周囲との距離が分かるように撮ります。

可能なら背面

後ろ側に壁、崖、隣接墓所などがあるか確認しやすくなります。

通路

墓地入口から墓所までの道幅が分かる写真です。

階段・坂道

重機や台車が入れるか判断する材料になります。

駐車・車両進入場所

トラック等を墓所の近くまで入れられるかが分かります。

遠方で自分が撮影できない場合は、現地調査を業者だけで行えるか確認します。

墓じまい見積書で比較したい11項目

総額だけではなく、何が含まれているかを確認します。

項目 確認すること
1.墓石解体 石塔等の解体費が含まれるか
2.外柵撤去 囲い・石材等をどこまで撤去するか
3.カロート・基礎 納骨室・コンクリート基礎まで撤去するか
4.運搬 撤去した石材を運び出す費用
5.処分 石材・廃材の処分費を含むか
6.整地 墓地が求める状態まで原状回復するか
7.遺骨取り出し 料金に含む人数・柱数、容器の扱い
8.重機・特殊作業 クレーン・人力搬出等が別料金か
9.交通・出張 遠方料金・高速代等が別か
10.手続き・サービス 行政手続き、寺院調整、写真報告等の範囲
11.契約条件 追加料金、支払時期、キャンセル条件

「墓石撤去 一式○万円」だけなら内訳を確認する

見積書に「墓じまい一式」「墓石撤去一式」としか書かれていない場合は、何が含まれているか確認します。

例えば、

  • 墓石解体は入っている
  • 基礎撤去は別料金
  • 整地は別料金
  • 遺骨取り出しは別料金

という可能性があります。

一式表記そのものが問題なのではありません。

その中身が書面で確認できるかが重要です。

相見積もりは「同じ条件」で依頼する

現在の墓地で自由に石材店を選べる場合は、複数社から見積もりを取る方法があります。

何社が正解という決まりはありませんが、初めてなら2〜3社程度に絞ると内容を比較しやすいでしょう。

ただし、各社へ同じ条件を伝えます。

例えばA社へは墓石撤去だけ、B社へは行政手続き・遺骨移送まで依頼していては、総額を比べても意味がありません。

見積もりは「込み・別途・該当なし」で並べる

複数社を比較するときは、見積書の項目ごとに、

  • 料金に含む
  • 別料金
  • 今回の墓所では不要

をそろえて比較すると分かりやすくなります。

項目 A社 B社 C社
墓石撤去 込み 込み 込み
基礎撤去 込み 別途 込み
整地 込み 込み 別途
遺骨取り出し 込み 別途 込み
行政手続き 別途 込み 案内のみ

この形にすると、「一番安く見えた会社は別料金が多かった」といった違いを把握できます。

追加料金が出やすい条件を契約前に確認する

墓じまいでは、現場条件によって追加作業が必要になることがあります。

代表的なのは、

  • 重機が墓所まで入れない
  • 階段が多い
  • 長距離を人力搬出する
  • 急な傾斜がある
  • 基礎が予想以上に深い
  • 地中に追加の石材・構造物がある
  • 隣接区画と基礎等を共有している
  • 想定以上の遺骨が納められている
  • 離島・遠隔地である

などです。

重要なのは「追加料金が一切ない会社」を探すことではなく、どんな場合に、どのような追加費用が発生するかを契約前に説明してもらうことです。

「追加料金なし」と書いてあっても条件を読む

追加料金なしを掲げるサービスでも、一定の現地調査を受けていることなどが保証条件になっている場合があります。

また、地中の予期しない構造物や特殊な施工条件などが対象外になる場合もあります。

「追加料金なし」という言葉だけではなく、保証の対象と対象外を確認します。

キャンセル料は会社によって違う

墓じまいのキャンセル料に全国共通の料金表はありません。

事業者によって、

  • 正式申込み時点
  • 工事日決定後
  • 工事日の何日前か
  • 石材店が現場準備を開始した後

など、キャンセル料が発生する時点が違います。

見積もりを受け取っただけなのか、申込フォームを送った時点で契約になるのかも会社によって異なります。

契約前に、

  • 契約成立日はいつか
  • キャンセル料はいつから発生するか
  • 日程変更はキャンセル扱いになるか
  • 墓地側の事情で工事できない場合はどうなるか

を確認します。

支払い時期も確認する

見積金額が同じでも、支払条件が異なる場合があります。

  • 全額前払い
  • 着手金+完了後残金
  • 工事完了後払い

などがあります。

いつ、いくらを支払うのか、契約書・申込規約で確認します。

工事完了の条件も見積もり時点で決める

墓石を運び出しただけで完了とは限りません。

墓地によっては、

  • 基礎をすべて撤去する
  • 土を入れて更地に戻す
  • 砂利を敷く
  • 管理者の確認を受ける

などの返還条件があります。

その条件まで見積書に含まれているか確認します。

遠方で工事に立ち会わない場合は、工事前後の写真を送ってもらえるかも確認しておくとよいでしょう。

見積もり後に断ってもいい?

無料見積もりを受けただけで契約義務が発生するわけではないサービスが一般的です。

正式に申込み・契約する前であれば、金額や内容に納得できず依頼しない選択もできます。

ただし、申込み方法によって契約成立時点が異なるため、見積書と申込規約を確認します。

「見積もり無料」と「契約後のキャンセル無料」は別です。

遠方のお墓でも見積もりできる?

可能なサービスがあります。

写真・寸法を送って概算を出した後、業者だけで現地確認を行う方式もあります。

この場合は、

  • 現地立会いが必要か
  • 区画を業者だけで特定できるか
  • 墓地使用許可証・区画番号が必要か
  • 現地調査費がかかるか
  • 契約前に写真報告があるか

を確認します。

正式見積もりから契約までの流れ

  1. 墓地管理者へ指定石材店を確認する
  2. 墓所の写真・寸法・資料を用意する
  3. 概算見積もりを取る
  4. 自由に選べる場合は候補業者を2〜3社程度に絞る
  5. 現地確認を依頼する
  6. 正式見積書を受け取る
  7. 11項目の内訳を確認する
  8. 追加料金条件を確認する
  9. 契約・キャンセル・支払い条件を確認する
  10. 業者を決める

契約する前の最終チェックリスト

  • 指定石材店の有無を確認した
  • 現地を確認した正式見積もりを受け取った
  • 墓石・外柵・基礎の撤去範囲を確認した
  • 石材の運搬・処分費を確認した
  • 整地・原状回復の範囲を確認した
  • 遺骨取り出しを含むか確認した
  • 重機・人力搬出の追加条件を確認した
  • 行政手続きの対応範囲を確認した
  • 追加料金が発生する条件を確認した
  • 契約成立時点を確認した
  • キャンセル料を確認した
  • 支払時期を確認した
  • 完了写真・墓所返還方法を確認した

よくある質問

墓じまいの見積もりは何から始めますか?

まず墓地管理者へ指定石材店の有無を確認します。自由に業者を選べる場合は、墓所の写真・寸法・所在地等を用意して概算見積もりを依頼します。

写真だけで墓じまいの見積もりはできますか?

写真と寸法から概算を出すサービスがあります。ただし階段、傾斜、重機搬入、基礎などで料金が変わるため、契約前には現地確認後の正式見積もりを確認する方が安全です。

墓所面積はどう測りますか?

料金表では、墓石そのものではなく墓所区画の間口と奥行から面積を算出する方式がよく使われます。正式な面積は墓地資料や現地確認で確定してください。

相見積もりは何社に取ればよいですか?

法定の社数はありません。自由に業者を選べる墓地なら、2〜3社程度から同じ工事範囲で見積もりを取ると比較しやすいでしょう。

見積書が「一式」だけでも大丈夫ですか?

一式表記だけでは含まれる作業が判断できないため、墓石、外柵、基礎、運搬、処分、整地、遺骨取り出しなどの内訳を確認してください。

墓じまいで追加料金が発生するのはどんな場合ですか?

重機が入れない、階段・傾斜がある、基礎が想定以上に大きい、追加の石材・構造物が見つかったなどの場合があります。契約前に追加条件を確認します。

見積もりをもらった後に断れますか?

無料見積もりを受けただけなら依頼しない選択ができるサービスが一般的です。ただし正式申込みをすると契約成立となる場合があるため、申込規約を確認してください。

キャンセル料はいつからかかりますか?

事業者ごとに異なります。工事日の一定期間前から割合で発生する会社や、実際に発生した準備費用を請求する会社などがあります。契約前に書面で確認してください。

遠方の墓でも見積もりできますか?

写真・寸法による概算や、業者だけで現地調査を行うサービスがあります。区画番号や墓地使用許可証など、墓所を特定できる情報を準備すると進めやすくなります。

墓じまいの見積もりは「一番安い総額」ではなく「同じ工事内容」で比べる

墓じまいの見積もりで一番分かりやすい数字は総額です。

しかし、総額だけを並べても、工事内容が違えば正しい比較にはなりません。

墓石だけを撤去するのか。

外柵・基礎まで撤去するのか。

整地まで含むのか。

遺骨取り出しも含むのか。

行政手続きを含むのか。

追加料金はどんな場合に出るのか。

こうした条件を同じにして比較します。

写真見積もりで候補を絞り、現地確認後の正式見積もりで契約内容を確認する。

そのうえで、総額だけでなく内訳・追加料金・キャンセル条件まで見て依頼先を決める方が、契約後の金額差を防ぎやすくなります。

お墓・供養全体の整理についてはお墓・供養のガイドも参照してください。

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