樹木葬の費用はいくら?相場・内訳・追加費用と総額の比べ方

樹木葬を検討するとき、「実際にはいくらかかるのか」は気になるポイントの一つです。

樹木葬は一般墓より費用を抑えられるイメージがありますが、実際には数万円台から100万円を超えるプランまで幅があります。

大きな差が生まれる理由は、同じ「樹木葬」という名称でも、最初から合祀するタイプ、複数人で同じ墓域を利用するタイプ、夫婦・家族などで専用区画を使うタイプなど、内容が大きく異なるためです。

樹木葬の費用を比較するときは、表示されている「○万円〜」だけではなく、納骨方法、個別利用期間、管理料、追加納骨料、刻字料まで含めた総額を見ることが重要です。

目次

樹木葬の平均購入金額は71.7万円という調査結果がある

2026年に公表された「第17回 お墓の消費者全国実態調査」では、樹木葬の平均購入金額は71.7万円でした。

この調査は、2025年にお墓情報サイト「いいお墓」を経由してお墓を購入した人を対象にしたものです。

そのため、71.7万円を全国すべての樹木葬の公的な平均価格と考えるのではなく、実際の購入者データの一つとして見るのが適切です。

樹木葬には低価格な合祀型から、一般墓に近い個別区画型まであるため、「平均額」だけでは自分が検討しているプランの費用は判断できません。

樹木葬の費用はタイプによって大きく変わる

民間のお墓情報サイトや霊園の掲載例を見ると、樹木葬の費用はおおむね次のような幅があります。

タイプ 費用目安の一例 主な特徴
合祀型 5万〜30万円程度 他の人の遺骨と共同で納める
集合型 10万〜60万円程度 共同の墓域を使いながら遺骨を一定の方法で区別する
個別型 20万〜150万円程度 一人・夫婦・家族など専用区画を使う

これらは全国共通の公定価格ではありません。

地域、霊園、区画の大きさ、利用人数、個別利用期間などによって料金は変わるため、候補施設の料金表を確認してください。

合祀型の樹木葬は費用を抑えやすい

合祀型では、個人や家族ごとの専用区画を持たず、複数人の遺骨を同じ場所へ納めます。

個別のスペースや墓標を設ける必要が少ないため、樹木葬の中では比較的費用を抑えやすい方式です。

一方で、他の人の遺骨と混ざる方法で納骨した場合、その後に特定の遺骨だけを取り出すことが難しくなります。

安さだけで選ばず、将来別のお墓へ移す可能性がないかも考えておく必要があります。

集合型は費用と個別感の中間

集合型では、一つのシンボルツリーや墓域を複数人で共有しながら、骨壺や骨袋などで遺骨を区別して納める方式があります。

合祀型より個別性があり、専用区画を持つ個別型より費用を抑えられる場合があります。

ただし、一定期間後に合祀するプランもあります。

料金を見るときは、現在の納骨方法だけでなく、期間終了後にどうなるかも確認します。

個別型は100万円を超えることもある

個別型の樹木葬では、一人、夫婦、家族など専用の区画を利用します。

小型の石碑やプレートを設けるものもあり、一般墓に近い感覚でお参りできるタイプもあります。

専用区画が必要になる分、合祀型や集合型より価格が高くなる傾向があります。

立地やデザイン、利用人数によっては100万円を超えるプランもあります。

そのため、「樹木葬=一般墓より必ず大幅に安い」とは限りません。

樹木葬の費用の主な内訳

樹木葬の料金には、複数の費用が含まれます。

代表的なものは次のとおりです。

  • 墓所・区画を利用するための費用
  • 永代供養料
  • プレート・墓標などの費用
  • 刻字料
  • 納骨料
  • 年間管理料
  • 追加納骨料
  • 個別利用期間の延長費用
  • 法要を依頼する場合の費用

施設によって、これらをすべて含むセット料金もあれば、一部が別料金になっている場合もあります。

墓所・区画の使用にかかる費用

個別型や集合型では、使用する区画やスペースに応じた料金が設定されています。

費用は、

  • 一人用か夫婦用か
  • 家族で何人利用できるか
  • 区画の大きさ
  • 立地
  • 個別利用期間

などで変わります。

同じ霊園でも複数プランを設けていることがあるため、最安プランだけでなく、自分が利用する条件の価格を見る必要があります。

永代供養料

樹木葬には、霊園や寺院などの管理者が将来の供養・管理を行う永代供養を組み合わせたプランがあります。

永代供養料が最初の契約料金に含まれている場合もあれば、別に設定されている場合もあります。

また、永代供養があるからといって、遺骨が永久に個別区画へ残るという意味ではありません。

一定期間後に合祀へ移す契約もあります。

永代供養については、永代供養とは?種類・費用と選び方も確認してください。

プレート・墓標・刻字料

個別型の樹木葬では、小型の石碑、プレート、銘板などを設置することがあります。

基本料金に含まれている場合もあれば、石材やデザインによって別料金になることもあります。

氏名、戒名、家名、イラストなどを刻む場合は、刻字料が必要になることもあります。

価格表を見るときは、プレート本体と刻字の両方が含まれているか確認しましょう。

納骨料

契約した区画へ実際に遺骨を納める際、納骨料や納骨手数料が必要になる場合があります。

一人目は契約料金に含まれていても、二人目以降の納骨では別料金になることがあります。

夫婦・家族で利用する予定なら、契約時に追加納骨の費用まで確認しておくと総額を計算しやすくなります。

年間管理料

樹木葬では「管理費不要」と紹介されるプランがあります。

特に最初から合祀するタイプなどでは、個別区画の継続管理がないため年間管理料を設けない場合があります。

一方、個別区画を使用している期間は年間管理料が必要な施設もあります。

そのため、

「樹木葬=年間管理料がかからない」ではありません。

管理料が必要な場合は、

  • 年間いくらか
  • 何年間支払うか
  • 最後の利用者が亡くなった後はどうなるか
  • 合祀後も管理料が必要か

まで確認します。

追加納骨料

夫婦用や家族用の樹木葬では、後から家族の遺骨を追加できるものがあります。

ただし、追加納骨が無料とは限りません。

契約前に、

  • 何人まで納骨できるか
  • 一人追加するごとにいくらか
  • 追加時の刻字費用
  • 追加によって個別利用期間が変わるか

を確認しておきます。

個別利用期間を延長すると費用が増えることがある

樹木葬には、一定期間だけ専用区画を利用し、その後合祀する契約があります。

施設によっては、その個別期間を延長できる場合があります。

その場合、延長料や追加管理料が必要になることがあります。

比較するときは、

  • 基本契約の個別期間
  • 延長可能か
  • 何年単位で延長できるか
  • 延長料金

を確認してください。

「○万円〜」の最低価格だけを見ない

樹木葬を検索すると、「5万円〜」「10万円〜」といった低価格のプランが表示されることがあります。

その金額自体が誤りという意味ではありませんが、多くの場合は条件の限られた最安プランです。

たとえば、

  • 一人用
  • 最初から合祀
  • プレートなし
  • 年間管理料別
  • 納骨料別

などの可能性があります。

自分が希望する「夫婦で個別区画を利用する」などの条件にすると、表示価格とは大きく変わることがあります。

夫婦2人なら1人分の価格を2倍とは限らない

樹木葬では、一人用とは別に夫婦用・家族用のプランを用意している施設があります。

そのため、単純に一人分の費用を人数倍すれば総額になるとは限りません。

反対に、基本料金に含まれるのは一人だけで、二人目から追加納骨料が必要になる場合もあります。

比較するときは必ず「最終的に何人利用する予定か」を条件に入れます。

樹木葬と一般墓の費用を比較するときの注意点

樹木葬は墓石を新しく建てない形式が多いため、一般墓より初期費用を抑えられる場合があります。

一方、一般墓は家族で複数人を長期間納骨することを前提としている場合があります。

樹木葬で一人ずつ追加料金がかかる場合、家族の人数によっては価格差が縮まることもあります。

比較するときは、

  • 一人あたりの価格
  • 家族全員を納骨したときの価格
  • 年間管理料
  • 利用できる期間
  • 最終的な合祀

までそろえて確認します。

墓じまいから樹木葬へ移す場合は別に費用が必要

現在のお墓を墓じまいして樹木葬へ移す場合、樹木葬の契約費用だけではありません。

現在のお墓側で、

  • 墓石の撤去
  • 区画の原状回復
  • 遺骨の取り出し
  • 法要を行う場合の費用
  • その他墓地の規則に基づく費用

などが発生することがあります。

さらに、新しい樹木葬側でも契約料や納骨料が必要です。

現在の墓地・納骨堂から別の墓地へ焼骨を移す場合は、原則として改葬許可も必要になります。

墓じまい全体については、墓じまい・お墓の整理の進め方も確認してください。

墓じまい後の総額は2つに分けて考える

墓じまいから樹木葬へ移す場合は、次のように費用を分けると整理しやすくなります。

総額 = 現在のお墓を閉じる費用 + 新しい樹木葬へ納骨する費用

樹木葬だけ安い施設を見つけても、現在のお墓の撤去費用を含めると予算を超えることがあります。

先に両方の見積もりを取り、全体の予算を確認してから進めると安心です。

樹木葬の費用を抑える5つの方法

1.合祀型も比較する

遺骨を個別に残す必要がない場合は、合祀型を含めることで費用を抑えられる可能性があります。

ただし、合祀後の遺骨の取り出しが難しいことを理解したうえで選びます。

2.必要以上に大きな区画を選ばない

一人または夫婦だけで利用する場合、家族用の大きな区画が必要とは限りません。

3.個別利用期間を確認する

長期間の個別利用にこだわらない場合、一定期間後に合祀するプランは価格を抑えられる場合があります。

4.管理料を含めて比較する

初期費用が安くても年間管理料が長期間必要なら、最終的な総額は高くなることがあります。

5.複数の施設で同条件を比較する

候補を比較するときは、一人用と夫婦用など違う条件のプランを比べないようにします。

「夫婦2人・個別利用○年間・管理料込み」といった条件をそろえて比較すると判断しやすくなります。

見積もりで確認したい項目

項目 確認内容
基本料金 何人分・何年間の料金か
納骨方法 合祀・集合・個別のどれか
永代供養料 基本料金に含まれるか
墓標・プレート 別料金か
刻字料 何名分含まれるか
納骨料 一回ごとに必要か
年間管理料 金額と支払期間
追加納骨 一人追加する費用
個別期間 何年利用できるか
延長 延長可否と料金
契約終了後 どこへ合祀されるか

こんな価格比較は避けたい

  • 最低価格だけで決める
  • 合祀型と個別型を同じものとして比べる
  • 一人用と夫婦用を同じ条件だと思う
  • 年間管理料を計算しない
  • 納骨料や刻字料を確認しない
  • 個別利用期間を確認しない
  • 墓じまい費用を予算に含めない

価格だけでなく、その料金で何が提供されるのかを比較することが重要です。

よくある質問

樹木葬の平均費用はいくらですか?

2026年に公表された購入者調査では、樹木葬の平均購入金額は71.7万円でした。ただし、「いいお墓」経由で2025年にお墓を購入した人への調査であり、全国すべての樹木葬の公的平均ではありません。

10万円程度でも樹木葬はできますか?

合祀型などで10万円前後から利用できるプランが見つかる場合があります。ただし、納骨方法、追加費用、管理料などを確認してください。

樹木葬は年間管理料がかかりませんか?

年間管理料が不要なプランもありますが、すべてではありません。個別区画を利用する間は管理料が必要な施設もあります。

樹木葬は一般墓より必ず安いですか?

必ずではありません。合祀型では費用を抑えやすい一方、個別区画型や家族向けのプランでは100万円を超える場合もあります。

樹木葬の料金に永代供養料は含まれますか?

施設・プランによって異なります。永代供養料込みの場合もあれば別料金の場合もあるため、料金表を確認してください。

墓じまいして樹木葬へ移すといくらかかりますか?

樹木葬の契約費用に加え、現在のお墓の撤去・区画返還などの墓じまい費用が必要になります。双方の見積もりを取得して総額を確認してください。

樹木葬は「何万円か」より「何が含まれるか」を比較する

樹木葬の費用は数万円台から100万円を超えるものまで幅があります。

そのため、「樹木葬の相場はいくら」と一つの数字だけで判断するのは適切ではありません。

重要なのは、

  • 合祀・集合・個別のどれか
  • 何人利用するのか
  • 何年間個別に利用できるのか
  • 管理料はいくらか
  • 追加納骨にいくらかかるのか
  • 最後に遺骨がどうなるのか

を同じ条件で比較することです。

「○万円〜」ではなく、自分や家族が希望する条件で最後まで利用した場合の総額を確認すると、樹木葬同士を比較しやすくなります。

樹木葬そのものの仕組みや種類については、樹木葬とは?種類・費用・永代供養との違いと選び方もあわせて確認してください。

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