生前整理を始めようと思っても、家の中を見ると物が多く、「結局何から確認すればよいのか分からない」と止まりやすくなります。
生前整理で確認するのは、家具や衣類だけではありません。
実際には、
- 重要書類
- 預貯金・保険・証券
- 不動産
- 家具・家電
- 写真・思い出の品
- スマートフォン・パソコン
- オンライン契約
- 家族へ伝えておきたいこと
など、複数の分野があります。
そこでこの記事では、生前整理で確認したい項目をチェックリスト形式でまとめます。
すべてを一度に終わらせる必要はありません。
自分に関係する項目だけ確認し、終わったものからチェックしてください。
実家・家財整理全体については、実家・家財整理の案内もあわせて確認してください。
生前整理チェックリストの使い方
このチェックリストでは、生前整理を次の9分野に分けます。
- 目的・進め方
- 重要書類・財産
- 物・家財
- 写真・思い出の品
- デジタル情報
- 住まい・不動産
- 家族への共有
- 将来の希望・必要な制度
- 処分・業者利用
優先したいのは、物を減らすことより、失くすと後から確認しにくい情報を先に整理することです。
通帳や契約書、保険、不動産関係書類、スマートフォンなどを確認する前に、大量の紙や家財を処分しないようにしてください。
最初に確認するチェックリスト
- □ 生前整理をする目的を決めた
- □ いつまでに何を整理するか決めた
- □ 自分で進める範囲を決めた
- □ 家族に手伝ってもらう範囲を決めた
- □ 絶対に処分しない物を決めた
- □ 判断できない物を入れる「保留箱」を用意した
- □ 家全体を一度に片付けようとしていない
親の生前整理を手伝う場合
- □ 親本人が整理することを理解している
- □ 子どもだけで処分する物を決めていない
- □ 本人が残したい物を先に確認した
- □ 兄弟姉妹へ必要な情報を共有した
- □ 業者を呼ぶ前に本人へ相談した
重要書類チェックリスト
書類は、不要と判断できるまでまとめて保管します。
古い郵便物や通知が、現在の財産・契約を見つける手掛かりになることもあります。
本人確認・公的書類
- □ マイナンバーカード等の本人確認書類を確認した
- □ 健康保険関係を確認した
- □ 年金関係の資料を確認した
- □ 税金関係の書類を確認した
金融関係
- □ 利用している銀行を一覧にした
- □ 通帳を確認した
- □ キャッシュカードを確認した
- □ 定期預金等の有無を確認した
- □ ネット銀行の利用有無を確認した
- □ 証券会社の利用有無を確認した
- □ 投資信託・株式等の資料を確認した
- □ 借入・ローンの資料を確認した
保険
- □ 生命保険を確認した
- □ 医療保険を確認した
- □ 火災保険を確認した
- □ 自動車保険を確認した
- □ 保険会社・連絡先が分かる状態にした
不動産
- □ 自宅・土地の所在地を確認した
- □ 名義を確認した
- □ 固定資産税関係の資料を確認した
- □ 売買契約書等の関連資料をまとめた
- □ 住宅ローン等の有無を確認した
契約
- □ 電気
- □ ガス
- □ 水道
- □ 携帯電話
- □ インターネット
- □ 新聞
- □ 定期購入
- □ 各種会員サービス
を確認しました。
財産一覧チェックリスト
金額まで家族全員へ公開する必要はありません。
まずは、何を所有し、どこへ問い合わせれば確認できるかが本人に分かる状態を作ります。
- □ 預貯金
- □ 株式・投資信託
- □ 保険
- □ 不動産
- □ 自動車
- □ 貴金属
- □ 高価な時計
- □ 骨董品・美術品
- □ コレクション
- □ 暗号資産等のオンライン資産
について利用・所有の有無を確認しました。
家財・持ち物チェックリスト
家財は、次の5分類にすると整理しやすくなります。
| 分類 | 考え方 |
|---|---|
| 残す | 今後も本人が使う物 |
| 譲る | 家族・知人へ渡したい物 |
| 売る | 査定して手放す候補 |
| 処分 | 本人が不要と判断した物 |
| 保留 | 今は決められない物 |
衣類
- □ 現在着ている服を残した
- □ 季節物を確認した
- □ 冠婚葬祭用を確認した
- □ サイズが合わない物を確認した
- □ 本人が残したい衣類を確認した
家具
- □ タンス
- □ ベッド
- □ 食器棚
- □ テーブル・椅子
- □ ソファ
- □ 本棚
について今後も使うか確認しました。
家電
- □ 冷蔵庫
- □ 洗濯機
- □ テレビ
- □ エアコン
- □ 電子レンジ
- □ 掃除機
- □ その他の家電
について、使用・売却・処分を決めました。
本・趣味用品・コレクション
- □ 本を残す・売る・処分に分けた
- □ 趣味用品を確認した
- □ コレクションの価値を確認した
- □ 家族へ譲りたい物を確認した
家電を処分する前のチェック
大型家電をすべて粗大ごみとして出せるわけではありません。
家庭用の、
- エアコン
- 対象となるテレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
は、家電リサイクル法に沿った処分方法を確認します。
- □ 家電4品目に該当するか確認した
- □ 買い替え時の引取を確認した
- □ 購入店への引取依頼を確認した
- □ 店が分からない場合は自治体の案内を確認した
写真・思い出の品チェックリスト
写真や手紙は判断に時間がかかりやすいため、家財整理の最初に全部確認する必要はありません。
- □ 写真を一か所に集めた
- □ アルバムを確認した
- □ 手紙・はがきを確認した
- □ 家族へ渡したい写真を分けた
- □ データ化したい写真を分けた
- □ 本人が特に残したい物を確認した
- □ 形見として誰かに譲りたい物を記録した
迷う場合は保留で構いません。
スマートフォン・パソコンのチェックリスト
現在の生前整理では、デジタル情報の確認も重要です。
- □ 現在使っているスマートフォンを確認した
- □ 古いスマートフォンを確認した
- □ パソコンを確認した
- □ タブレットを確認した
- □ USB・外付けHDD・SDカード等を確認した
- □ クラウドサービスの利用有無を確認した
- □ 必要な写真・データを整理した
オンラインサービスチェックリスト
- □ ネット銀行
- □ ネット証券
- □ クレジットカード
- □ 通販サイト
- □ 動画配信
- □ 音楽配信
- □ 電子書籍
- □ クラウド
- □ SNS
- □ 有料アプリ
- □ その他のサブスク
の利用有無を確認しました。
パスワードを家族へそのまま一覧で渡す必要はない
生前整理だからといって、すべてのID・パスワードを紙に書き、誰でも見られる場所へ置くことはおすすめできません。
本人が安全に管理しながら、
- どのサービスを使っているか
- 重要な情報をどこで管理しているか
- 将来どのような手続きをしてほしいか
が必要な人へ伝わる方法を考えます。
サービスごとに死亡後の手続きも異なるため、アカウントを本人以外が自由に使えることを前提にしないでください。
住まい・実家のチェックリスト
今の家に住み続ける場合
- □ 通路を安全にした
- □ よく使う物を取りやすい位置へ移した
- □ 重い物を高い棚から下ろした
- □ 不要な大型家具を確認した
- □ 重要書類の保管場所を整理した
住み替えを考えている場合
- □ 次の住まいへ持っていく物を決めた
- □ 家族が預かる物を決めた
- □ 大型家具をどうするか決めた
- □ 自宅を残す・売る・貸す等の候補を確認した
施設入居を考えている場合
- □ 施設の居室・収納量を確認した
- □ 持込可能な家具・家電を確認した
- □ 本人が持っていきたい物を確認した
- □ 重要書類・貴重品の管理方法を決めた
- □ 実家を入居後どう管理するか確認した
家族へ共有するチェックリスト
家族へ財産内容をすべて公開する必要はありませんが、何かあったときに誰も何も分からない状態は避けたいところです。
- □ 重要書類の保管場所を必要な家族へ伝えた
- □ 主な金融機関の存在を必要に応じ共有した
- □ 保険会社が分かるようにした
- □ 不動産の有無を必要に応じ共有した
- □ 重要な契約の存在を整理した
- □ 大切にしてほしい物を伝えた
- □ 誰へ譲りたい物があるか記録した
- □ 実家について本人の希望を話した
家族の役割分担チェックリスト
親の生前整理を家族で手伝う場合は、役割を明確にすると進めやすくなります。
- □ 親本人:残す・譲る・売る・処分を決める
- □ 家族A:粗大ごみ等の手続きを調べる
- □ 家族B:買取候補を確認する
- □ 家族C:業者の見積もりを手配する
- □ 兄弟姉妹:欲しい物・残したい物を確認する
といった分け方ができます。
今後の希望を整理するチェックリスト
生前整理は「死後の準備だけ」を意味するものではありません。
ただし、本人が希望するなら、将来家族が判断に迷わないよう希望を記録することもできます。
- □ 今後どこで暮らしたいか考えた
- □ 施設入居について希望があれば整理した
- □ 実家を将来どうしたいか話した
- □ 大切な物を誰へ譲りたいか整理した
- □ 家族へ伝えたいことを記録した
遺言書を検討する場合のチェック
生前整理をした人全員が遺言書を作成しなければならないわけではありません。
一方、財産の分け方について本人の意思を残したい場合には、遺言書を検討することがあります。
- □ 遺言書が必要か考えた
- □ すでに遺言書がある場合は保管場所を確認した
- □ 古い遺言書がある場合は現在の意思と合っているか確認した
- □ 必要なら専門家への相談を検討した
自筆証書遺言書には、法務局で原本を保管する制度があります。
法務局で保管された自筆証書遺言書は、相続開始後の家庭裁判所による検認が不要です。
ただし、法務局の形式確認は遺言内容の法的有効性まで保証するものではないため、内容に不安がある場合は専門家へ相談します。
任意後見などを考える場合
将来、判断能力が低下した場合の財産管理・契約について心配がある場合、任意後見制度などについて調べる選択肢があります。
任意後見は、本人が十分な判断能力を有する時に、将来誰へどのような事務を任せるかを公正証書による契約で決めておく制度です。
ただし、
「生前整理をする=任意後見も必要」
ではありません。
- □ 将来の財産管理について心配があるか考えた
- □ 必要なら公的な制度を調べた
- □ 必要なら専門家へ相談した
という確認で十分です。
不用品を処分するチェックリスト
- □ 自治体の分別ルールを確認した
- □ 通常ごみに出せる物を分けた
- □ 粗大ごみを予約した
- □ 家電4品目を別にした
- □ 売れる物を処分品から分けた
- □ 家族へ譲る物を分けた
業者を利用するか判断するチェックリスト
次の項目が多い場合は、全部を家族だけで行わず、必要な部分だけ業者へ依頼する方法があります。
- □ 大型家具が多い
- □ 2階から家具を運び出せない
- □ 一軒家に大量の物がある
- □ 期限までに片付ける必要がある
- □ 本人・家族の体力的負担が大きい
- □ 実家が遠方にある
- □ 物置・庭・倉庫にも家財がある
業者見積もりチェックリスト
- □ 依頼する作業範囲を揃えた
- □ 複数社から見積もりを取った
- □ 作業人数を確認した
- □ 車両料金を確認した
- □ 階段・搬出条件を確認した
- □ 清掃範囲を確認した
- □ 追加料金条件を確認した
- □ キャンセル条件を確認した
- □ 買取額と作業料金を分けた
- □ 家庭ごみの処理体制を確認した
- □ 処分禁止品を具体的に共有した
1日でできる最小チェックリスト
項目が多すぎて始められない場合は、まず次の7つだけでも構いません。
- □ 通帳を一か所へ集める
- □ 保険関係書類を一か所へ集める
- □ 不動産関係書類を確認する
- □ スマホ・PCを確認する
- □ 大切な物を3つ決める
- □ 引き出し1段だけ整理する
- □ 家族へ重要書類の保管場所だけ伝える
ここまででも、生前整理は前へ進んでいます。
生前整理を半年〜1年で進める場合の例
期限がない場合は、一度に終わらせる必要はありません。
1か月目
- 重要書類
- 金融機関
- 保険
2〜3か月目
- 衣類
- 日用品
- 本
4〜5か月目
- 家具
- 家電
- 買取候補
6か月目以降
- 写真・思い出品
- デジタル情報
- 住まいの今後
- 家族への共有
これは一例であり、期間の正解ではありません。
施設入居・引っ越しなど期限がある場合は、必要な物の確保を先に行います。
チェックリストは定期的に見直す
一度整理して終わりではありません。
その後も、
- 銀行口座を変更した
- 保険を解約した
- スマートフォンを変更した
- サブスクを追加した
- 引っ越した
- 家族構成が変わった
などの変化があります。
- □ 年1回など見直す時期を決めた
- □ 不要になった情報を更新した
- □ 家族へ共有した内容も必要に応じ更新した
よくある質問
生前整理のチェックリストでは何を確認すればよいですか?
物だけでなく、重要書類、預貯金、保険、不動産、デジタル情報、家族への共有、今後の住まいなども確認します。
何から始めればよいですか?
大量の物を捨てる前に、通帳・印鑑・保険・不動産資料・重要な契約・スマートフォンなど、後から確認しにくい物を確保してください。
チェックリストを全部やる必要がありますか?
ありません。
自分に該当する項目だけ確認してください。
物の整理を最初にしてはいけませんか?
小さい範囲から始めることは問題ありません。
ただし、書類やスマートフォン等まで大量処分へ混ぜないよう、重要品だけ先に避けておくと安全です。
パスワードを家族に一覧で渡した方がよいですか?
すべてのパスワードを無防備な状態で共有することは避けた方がよいでしょう。
安全な管理方法を取りながら、利用サービスや必要な情報の所在が将来分かる状態を考えます。
遺言書は必ず作る必要がありますか?
生前整理をする人すべてに必須ではありません。
財産の承継について本人の意思を残したい場合などに検討します。
生前整理は一人でできますか?
少量ずつなら自分で進められます。
大型家具、大量家財、遠方、期限がある場合などは、その部分だけ家族や業者へ任せる方法があります。
チェックリストは印刷して使えますか?
この記事のチェック項目は、画面を見ながら使うほか、ブラウザの印刷機能を使って手元で確認することもできます。
生前整理は「物を減らした数」ではなく「分かる状態を増やす」
生前整理というと、家の中から何袋ごみを出したか、どれだけ物を減らしたかに目が向きます。
しかし、本当に重要なのは、
- 大切な物が分かる
- 重要書類の場所が分かる
- 利用している金融機関が分かる
- 契約しているサービスが分かる
- 本人の希望が分かる
- 家を今後どうしたいか話せている
という状態を作ることです。
すべてを一度に終える必要はありません。
まず、
- 重要書類と財産情報
- 現在使う物
- デジタル情報
- 家族へ伝えたいこと
から一つずつ確認してください。
実際の片付け手順を詳しく確認したい場合は、自分で進める生前整理の記事へ、家財量が多く外部へ任せたい場合は、生前整理業者の選び方・比較記事へ進む構成にすると迷いにくくなります。
実家・家財全体については、実家・家財整理の案内から現在の状況に合う進め方を確認してください。