親の家を遺品整理すると、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、電子レンジ、掃除機など、さまざまな家電が残っていることがあります。
家電は、家具や衣類と同じように一括して処分できるとは限りません。
特に、
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
は、家電リサイクル法の対象となる家電があります。
一方、まだ使用できる比較的新しい家電なら、処分する前に買取査定へ回せることもあります。
そのため、遺品整理で家電を片付けるときは、最初から全部を「捨てる物」と考えず、
- 残す・譲る
- 買取査定する
- 家電リサイクル法に沿って処分する
- 自治体等のルールで処分する
に分けると整理しやすくなります。
この記事では、遺品整理で残った家電を種類別にどう処分すればよいか、遺品整理業者へ依頼するときに何を確認すればよいかまで解説します。
実家全体の整理については、実家・家財整理の案内も確認してください。
遺品整理の家電は最初に4つへ分ける
家電を一台ずつ処分方法から調べるより、最初に分類すると効率的です。
| 分類 | 主な対応 |
|---|---|
| 家族が使う家電 | 残す・形見分け・譲渡 |
| まだ売れそうな家電 | 買取査定 |
| 家電リサイクル法対象 | 法律に沿ったルートでリサイクル |
| その他の家電 | 自治体等の処分・回収ルールを確認 |
この分類をせず、「家電を全部処分してください」と遺品整理業者へ依頼すると、まだ買取できた家電まで処分へ回してしまう可能性があります。
反対に、古い家電をすべて買取査定へ回しても、手間ばかり増えることがあります。
まず種類・年式・状態を確認し、処分方法を分けます。
家電を捨てる前に所有者を確認する
故人が使っていた家電でも、必ずしも故人の所有物とは限りません。
特に賃貸住宅や一部の集合住宅では、
- エアコン
- 照明
- 冷蔵庫
- 洗濯機
などが設備・備品として最初から設置されている場合があります。
賃貸住宅の場合は、処分する前に賃貸借契約書や管理会社・貸主へ確認します。
「部屋にあったから故人の家電」と判断して勝手に撤去しないようにしてください。
まだ使える家電は処分前に買取を確認する
家電の中には、中古品として買取対象になるものがあります。
たとえば、
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
- エアコン
- 電子レンジ
- 掃除機
- 空気清浄機
- オーディオ
- レコーダー
などです。
ただし、「製造から○年以内なら必ず売れる」といった全国共通の基準があるわけではありません。
買取可否は、
- メーカー
- 型番
- 製造年
- 状態
- 正常に動くか
- 市場での需要
- 付属品
- 店舗や買取会社の基準
などで変わります。
型番と製造年を写真に撮る
大型家電を何台も店舗へ運ぶ必要はありません。
まず、
- 家電全体
- メーカー名
- 型番
- 製造年
- 傷や汚れ
を写真に撮り、写真査定や出張査定に対応する業者へ確認する方法があります。
買取について詳しく調べる場合は、処分記事とは分けて査定額や専門店を比較してください。
家電リサイクル法の対象となる「家電4品目」
遺品整理で特に注意したいのが、家電リサイクル法の対象となる家電です。
対象となる代表的な家庭用家電は、次の4種類です。
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
テレビについては、ブラウン管、液晶、有機EL、プラズマなど、法律の対象となる機器があります。
すべての機器が名称だけで対象になるとは限らないため、特殊な機器は型式・仕様も確認してください。
これらの対象家電は、一般的な家庭ごみや粗大ごみと同じ方法で処分するのではなく、家電リサイクル法に沿った方法を確認します。
家電4品目を処分するときの基本的な考え方
処分方法は状況によって変わります。
新しい同種家電へ買い替える場合
新しい製品を購入する家電販売店へ、古い製品の引取りを相談します。
処分だけしたい場合
その家電を購入した販売店が分かる場合は、購入した販売店へ引取りを相談します。
購入店が分からない場合
故人がいつ、どこで購入したか分からないこともあります。
その場合は、実家のある市区町村が案内している処分方法を確認します。
自治体によって、協力店や指定された方法、指定引取場所への持込み等を案内している場合があります。
自治体ごとに方法が異なるため、「全国どこでも同じ方法」とは考えないようにしてください。
家電リサイクル料金と収集運搬料金を確認する
家電4品目を廃棄する場合、リサイクル料金が必要です。
さらに販売店等へ回収を依頼する場合には、収集運搬料金が必要になることがあります。
料金は、
- 家電の種類
- メーカー
- サイズ等
- 依頼する販売店等
によって異なるため、「冷蔵庫なら全国一律○円」などとは考えない方がよいでしょう。
遺品整理会社へ家電の搬出までまとめて依頼する場合も、
- 家電リサイクル料金
- 収集運搬費
- 室内からの搬出費
- 階段作業
- エアコン取り外し
などがどこまで見積額に含まれるか確認します。
冷蔵庫・冷凍庫の処分
家庭用の冷蔵庫・冷凍庫は家電リサイクル法の対象となります。
遺品整理では、冷蔵庫本体だけでなく中身にも注意が必要です。
作業前には、
- 食品
- 調味料
- 冷凍食品
- 製氷室
などを確認します。
長期間空き家だった場合、食品が腐敗していることもあります。
冷蔵庫本体の処分と中身の家庭ごみ処分は、分けて考えます。
買取査定するなら電源を切る前に確認する
まだ使用できる冷蔵庫を査定へ出す場合は、正常に冷却できるか確認を求められることがあります。
査定先へ確認せず、長期間前から電源を抜いてしまうと動作確認がしにくくなることがあります。
売却候補なら、先に査定会社へ確認してください。
洗濯機・衣類乾燥機の処分
家庭用の洗濯機・衣類乾燥機も家電リサイクル法の対象です。
搬出前には、
- 給水ホース
- 排水ホース
- 蛇口
- 防水パン
などがあります。
取り外しに慣れていない場合は無理に作業せず、業者へ取り外しまで依頼できるか確認します。
テレビの処分
対象となるテレビも家電リサイクル法に沿って処分します。
古い実家では、
- ブラウン管テレビ
- 液晶テレビ
- プラズマテレビ
- 有機ELテレビ
などが残っている場合があります。
機種によって対象かどうか確認し、通常の粗大ごみとして自己判断で出さないようにします。
リモコンやスタンドなどの付属品も、買取査定を行う場合は一緒に確認してください。
エアコンの処分
家庭用の対象エアコンも家電リサイクル法の対象です。
エアコンは他の大型家電と違い、室内機と室外機に加えて取り外し作業が発生する場合があります。
遺品整理業者へ依頼する場合には、
- 取り外し料金
- 室外機の位置
- 高所作業が必要か
- 家電リサイクル料金
- 収集運搬料金
を確認します。
また、賃貸住宅では備付設備の場合があるため、撤去前に管理会社等へ確認してください。
電子レンジ・掃除機などは家電4品目とは処分方法が違う
電子レンジ、掃除機、炊飯器、扇風機などは、家電4品目と同じ家電リサイクル法の処分ルートではありません。
これらは、
- 不燃ごみ
- 粗大ごみ
- 小型家電回収
- 認定事業者等による回収
など、地域や家電の大きさによって処分方法が異なります。
実家所在地の自治体ホームページで品目別の分別方法を確認してください。
小型家電リサイクルという方法もある
携帯電話、デジタルカメラ、小型ゲーム機、小型の生活家電などでは、小型家電リサイクル制度を利用できる場合があります。
自治体によっては、
- 回収ボックス
- ごみ収集
- イベント回収
などを行っています。
ただし、自治体ごとに、
- 回収対象品目
- 回収ボックスへ入る大きさ
- 回収場所
などが違います。
「小型家電なら何でも近くのボックスへ入れられる」と考えず、自治体の対象品目を確認してください。
遺品整理業者に家電をまとめて任せてもよい?
家一軒の遺品整理では、冷蔵庫1台だけではなく、複数の大型・小型家電が残っていることがあります。
自分で一台ずつ処分手続きをするのが難しい場合は、遺品整理業者へ搬出や手配を相談する方法があります。
ただし、「家電処分込み」という言葉だけでは内容が分かりません。
見積もりでは、家電ごとに、
- 買取になるのか
- 廃棄になるのか
- 家電リサイクル料金が含まれるか
- 収集運搬料金が含まれるか
- 搬出費が含まれるか
- エアコン取り外し費が含まれるか
を確認します。
家電4品目とその他の家庭ごみを同じ「回収」と考えない
遺品整理では、家電4品目以外にも大量の家庭ごみが出ます。
家庭から出る廃棄物の収集運搬には、自治体の許可や委託など適法な処理体制が必要です。
遺品整理会社自身がすべてを運ぶとは限らず、地域の許可業者等と連携する場合もあります。
そのため、
「遺品整理業者なら家の中の物を何でも同じトラックで廃棄できる」
と考えず、実際にどのようなルートで処理するのか確認してください。
無許可の不用品回収へ家電を渡さない
「無料回収」「何でも回収」などと巡回する業者の中には、適切な許可を得ずに家庭の廃棄物を回収しているケースがあります。
家電の処分が分からない場合は、まず自治体の案内を確認する方が確実です。
家電リサイクル法対象品についても、正規の回収・リサイクルルートを利用します。
大量の家電がある場合は「買取→処分」の順にする
一軒家の遺品整理では、
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
- エアコン
- 電子レンジ
- 炊飯器
- 掃除機
- 扇風機
- ヒーター
- オーディオ
など、多数の家電が残ることがあります。
この場合は、最初に査定候補を分け、残りについて処分ルートを決めると効率的です。
- 家族が残す家電を外す
- 売れそうな家電を査定する
- 家電4品目を分ける
- その他家電を自治体ルール等で分類する
- 自分で難しい搬出だけ業者へ依頼する
買取と処分を同じ会社へ頼む場合の見積もり
遺品整理会社が家電買取にも対応する場合があります。
この場合、
- 遺品整理作業料金
- 家電の買取額
- 家電リサイクル関連費用
- その他の処分費用
を可能な限り分けて確認すると比較しやすくなります。
たとえば、「全部で25万円」だけでは、家電がいくらで売れたのか、処分費用がいくらなのか分かりません。
複数社で比較するなら、同じ条件で見積もりを取ります。
処分費用を確認するときのチェック項目
- □ 家電4品目を分けた
- □ メーカー・型番を確認した
- □ 売れる可能性のある家電を査定した
- □ リサイクル料金を確認した
- □ 収集運搬料金を確認した
- □ 室内からの搬出費を確認した
- □ 階段料金を確認した
- □ エアコン取り外し料金を確認した
- □ その他家電の自治体処分方法を確認した
- □ 業者利用時は実際の処理ルートを確認した
自分で処分するか業者へ頼むか
自分で進めやすいケース
- 家電の台数が少ない
- 処分期限に余裕がある
- 自治体や販売店へ確認できる
- 搬出できる人手がある
業者へ相談しやすいケース
- 一軒家で家電が大量にある
- 大型冷蔵庫等を搬出できない
- 実家が遠方
- 階段搬出が必要
- エアコンの取り外しがある
- 家電以外の遺品も大量にある
- 退去・売却までの期限が近い
一部だけ業者へ任せる方法もあります。
家電4品目だけ手配してもらい、小型家電や家庭ごみは自分たちで自治体ルールに従って処分するなど、負担と費用を調整できます。
遺品整理で家電を処分するときによくある失敗
まだ売れる家電を先に処分する
大型家電は処分にも費用がかかるため、まだ使用可能なら先に買取可否を確認します。
冷蔵庫・洗濯機を粗大ごみに出そうとする
家電リサイクル法対象の家電は、通常の粗大ごみとは処分方法が異なります。
購入店が分からず、そのまま放置する
購入店が分からなくても処分方法はあります。
実家所在地の市区町村へ確認してください。
「家電処分込み」の金額だけを見る
リサイクル料金、収集運搬、取り外し、搬出等のどこまでが含まれるか確認します。
賃貸の備付家電を処分する
故人所有ではない設備を撤去すると問題になるため、先に管理会社等へ確認します。
よくある質問
遺品整理で冷蔵庫は粗大ごみに出せますか?
家庭用の対象冷蔵庫・冷凍庫は家電リサイクル法の対象となるため、一般的な粗大ごみと同じ方法では処分しません。
購入店や自治体の案内する方法を確認してください。
洗濯機も家電リサイクル法の対象ですか?
家庭用の洗濯機・衣類乾燥機は対象となります。
テレビは全部対象ですか?
ブラウン管、液晶、有機EL、プラズマなどの対象テレビがあります。
特殊な機器については、対象機器の条件を確認してください。
電子レンジは家電4品目ですか?
電子レンジは家電4品目には含まれません。
自治体のごみ分別や小型家電回収等を確認してください。
古い家電でも買い取ってもらえますか?
可能性はありますが、年式だけで判断できません。
メーカー、型番、状態、市場需要などによって買取可否が変わります。
遺品整理業者に冷蔵庫や洗濯機も任せられますか?
搬出や処分手配に対応する業者があります。
家電リサイクル料金、収集運搬料金、搬出費等のどこまで見積額に含まれるか確認してください。
家電リサイクル料金はいくらですか?
品目、メーカー、サイズ等で異なります。
最新の料金をメーカー・家電リサイクル券関係の案内等で確認してください。
購入した店が分からない場合はどうしますか?
実家のある市区町村が案内している方法を確認します。
小型家電は全部回収ボックスへ入れられますか?
自治体によって対象品目やサイズが異なります。
回収ボックスへ持ち込む前に、その自治体の案内を確認してください。
家電を無料回収する業者へ渡してもよいですか?
料金が無料かどうかではなく、適正な回収・処理ルートかを確認する必要があります。
処分方法が分からない場合は自治体へ確認してください。
遺品整理の家電は「売れるか」と「どう捨てるか」を分けて考える
遺品整理で家電が大量に残っていても、すべてを同じ方法で処分する必要はありません。
まず、
- 残す・譲る家電
- 買取査定する家電
- 家電リサイクル法の対象家電
- その他の家電
へ分けます。
エアコン、対象テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法に沿った方法を確認します。
電子レンジ、掃除機などその他の家電は、実家所在地の自治体ルールや小型家電回収等を確認します。
まだ使える家電は処分前に査定し、大量の家電や大型家電の搬出が難しい場合だけ遺品整理業者へまとめて依頼する方法もあります。
業者へ依頼するときは「家電処分込み」という言葉だけで判断せず、リサイクル料金、収集運搬、取り外し、搬出などの内訳まで確認してください。
実家・家財全体の整理については、実家・家財整理の案内から現在の状況に合う項目を確認してください。